. ページ8
人が多いところを確実に狙うのなら、候補である各地の道路や住宅街に使い魔を放てばいい。もちろん魔力にも素材にも限界はある。母が作った使い魔の方が効率的だ。
｢行ってこい、試作99-3号。｣
エルメロイ�鏡�｢その性能で試作...？｣
｢母は、私が生きている間に完璧なものは作られないと言っていました。すべてはまだ進化の過程にあり、我々は永遠に答えに辿り着けないと。｣
エルメロイ�鏡�｢そうか......カエデさんらしいな。あの人は昔から変わらない、尊敬できる人だよ。｣
四度目の聖杯戦争で、彼は母の実力を目にしている。最早マスターとしても機能しない誰かさんに代わって、小鳥遊家は一度だけ聖杯戦争に参加している。無論、敗北はしたが。
そこからだ。彼が手放しで尊敬できる魔術師がいると、私に話したのは。
｢一度、先生の行きつけのカフェまで行きましょうか。そこで情報を整理して、先生は使い魔の臨時録画されている映像を見といてください。私はその間にガソリンを補給してきますから。｣
お母さんは冬木が崩壊した後、お父さんの許可を得て、冬木に大量の資金を投入した。そこからの復興速度は凄まじく、小鳥遊家にもそれを上回るほどの資金が入った。
それは冬木復興の礼として、冬木の魔術師と聖杯戦争参加者の家族からのものだ。死した者の遺体、遺品などを可能な限り回収して......魔術も手に入れた。私のノートに書かれたそれは、それぞれの家で代々伝わり、なおかつ私に使える彼らの魔術。
｢風が強いな...｣
エルメロイ�鏡�｢......やはり私もついていこうか。｣
｢いえ、私の車にも使い魔を配置しています。先生は私が渡した映像機から、私の様子も確認してもらえれば。｣
エルメロイ�鏡�｢そうか。なら先に待っているぞ、小鳥遊A。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月14日 8時
