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カウレス「......どうしてほしい?」

「知らない...早くしないと、みんな殺すよ...」

カウレス「お前には殺せないだろ。俺たちのこと、大好きなんだから。」

殺したいほど憎い。私を見捨てた。私なんかより、血原蓮を殺すことを優先した。だから血原蓮の言うことは間違ってなんかいない。皆は魔術師だから、誰かを優先することなんてありえない。

その点から考える。私は彼らを優先した、殺そうとしている。それは魔術師ではないから、そう行動している。

「......魔術師失格だ。私は根源を目指したのに、君たちを好いているから......」

吐きたいから吐いた。殺意があったから殺そうとした。それで今までのストレスが全部弾けたのか、何かの糸が切れたのか......何年ぶりかは思い出せないけど、私は自分の涙を見た。

「すまない...」

カウレス「魔術師をやめればいいだろ。」

「......」

カウレス「働けなくたって、俺がお前を養ってやる。その足も必ず治してやる。」

「壊れてない。」

カウレス「泥を使って、無理やり動かしただけだろ?」

そうだ。私はライネスたちと聖杯を壊すため、偵察をしていたんだ。

「そうだよ...忘れてた。君たちを殺すことは、私の目的じゃなかった。」

カウレス「A...?」

どうしてカウレスの優しさで、思い出してしまったのだろう。思い出さなければ、こんな想いなんてしなくてよかったのに。

「ごめん、どこか遠くへ放り捨てるね。ガキの我儘に付き合わせて、ごめん。」

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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月14日 8時

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