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______落ちていたノートを手にした瞬間から、俺たちは察した。

彼女はいつも通りの生活を送ろうとしている。それを望むのなら、限界まで送らせるといい。そこから目を覚まして、俺たちをようやく認識する日が来る。あの泥も消えるかもしれない。

カウレス「A。」

「......カウレスの声をした偽者。知ってる、お前たちは聖杯が欲しいんだろ?私はそのついで。女が死のうが、時計塔にとってはどうでもいい。別に気にしてはいないよ。」

ライネス「何を言って...!」

「カウレスはどこ?どうしてカウレスにも同意させたの?どこに閉じ込めたの?」

その狙いは外れた。Aの精神はとっくに壊れていて、俺たちの声も姿も認識しない。自分の思考こそが正しいと、そう言わんばかりに。

マシュ「皆さん、彼女に近付かないでください!」

ライネス「......君は?」

マシュ「マシュ・キリエライトです。こちらはマスター・藤丸立香といいます。」

藤丸立香「...Aさん、俺に着いてきて。」

誰にどう誘導されようと、そのすべては嘘だと断言するように。

「消えて。」

藤丸立香「カウレスさんに会えますから!」

「......嘘だったら、みんな殺すよ。自分勝手な理由で、人を閉じ込めた。自分勝手な理由で、人を化物に変えようとした。誰も助けてくれなかった、理解してくれない。そんな私に嘘なんてついたら......君の仲間も死んじゃうよ?」

藤丸立香「...!」

「嫌なら全員消えろ。ここの住民も、みーんな私が取り込んだ。君たちが消えたら、一気に大掃除を始めちゃうからさ...早く消えてくれる?」

......逃げれば助かる、Aが元に戻る可能性も見つかるかもしれない。でも

カウレス「お前...そんなことするなよ...!」

「......見捨てたくせに。」

今逃げたら、Aは絶対に後悔する。

「あ゛ッ」

衛宮士郎「じいさん!?何してるんだ!!!」

衛宮切嗣「ここで殺さなければ、より多くの人の命が奪われる。......すまない、士郎。」

「......」

脳を撃たれたぐらいで死なない体になったことも、俺は知っているよ。

でも痛くて、痛くて、俺に助けを求めていることも。

「カウレス...」

カウレス「...!」

「離れないで...ずぅっと、いっしょ、だよ。」

カウレス「A......ああ、そうだな。必ずお前を取り戻すから...」

「......時間が訪れたら、お前も殺してあげる。」

.→←泥に満ちる聖杯と時計塔



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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月14日 8時

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