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出雲阿国「とうっ!此度は出遅れませんよ!偵察なんて私の得意分野ではありませんが、斬ザブローならお任せあれ!どのような敵地だろうと、確実に敵の位置を捕捉できますので!」

カウレス「ありがとう、キャスター。ランスロットはどうする?」

妖精騎士ランスロット「僕は小鳥遊夫婦の護衛を命じられた。だから...危険になったら、すぐに僕を呼んでくれ。必ず助けに行くからね。」

「...行ってくる。」



その会話が、だいたい二日前の出来事だった。

簡略化して書き記す。母がくれた、魔術を思い出すための、ただのノートに書き記す。

ライネス一人の偵察の時点で、すべては罠だった。私たちが聖杯を見つけた瞬間......正確には紛い物だが、英霊たちは突然私たちがいる地下の部屋に進行ルートを変えた。

ああ、ここが何処なのかを説明するべきか。ある魔術師の工房、そこに続くある水路だ。

魔術師の名は血原蓮。コヤンスカヤが殺したはずなのに、血原草子と同じく蘇ってしまった男。不死になった男。

ライネス、カウレス、出雲阿国の安否は不明。我、ここに

血原蓮「......これ、急いで書いてたのかい?ご苦労なことだね、僕の聖杯。」

「ふ...ッ...!」

血原蓮「喋れない?動けない?でもダメだよ。その鎖も何も解いてあげたくないほど、僕は君に恋をした。聖杯を捧げたいと願った。故に君はね、」

ここに、死す。

血原蓮「地上では死んだことにした方がいい。ようこそ、僕の魔術工房へ。魔術師の殺戮の時は訪れた。まずは総本山である時計塔を叩き潰して、君の学友たちを殺さなければいけないね?」

.→←ある魔術師の別れ



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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月14日 8時

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