ある魔術師の別れ ページ39
二年前、私は普通だった。
「お母さん、今日は学校でね...」
二年後、私は武器を持ち歩く魔術師になっていた。
「殺す相手はいる?今すぐ殺してくるよ。」
たった二年間で、すべては変わり果てた。私はもう昔には戻れないし、昔みたいに素直にはなれない。彼らを友人と呼んでいたのに、今では学友や知り合いという言葉しか使えない。
だから、前より話しづらい。
彼らの近くにいることに、私は耐えられない。
お母さんが血だらけで帰ってきた時......私は幼い身でありながら、冷静に母の治療を行った。たった一人で。あの頃から普通ではなかったけれど、それでも二年前までは普通が似合うと言われていた。
今の私は、とっくに壊れている。
「それじゃあ行こうか。ロンドンの人たちは避難させた?」
ライネス「イギリス全体に避難警報を出させたよ。ようやく聖杯の在処が分かったんだ、全戦力を以て叩き壊さないと。この二度目の偵察で、ようやくすべての準備は整う。徘徊している英霊のルートも分かってるから安心してくれ。」
カウレス「......」
このままだと私、後悔する。
「カウレス。」
カウレス「?」
「......いや...なんでもない。」
後悔すると知っておきながら、私は何も言えないままだ。
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月14日 8時