エルメロイ教室の問題児の事件簿 (ページ28)

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あの人はたまに、彷徨海の話をする。

毎年泳いで行っても扉は開かれず、彼女は幻を信ずるより辿り着くことを優先した。冷たい海を自力で乗り越えて、幻の島でただ眠る。

......ある年の12月31日、ついに扉は開かれた。

ある魔術師が手を差し出すが、あの人は断ったのだ。

小鳥遊カエデ｢もう子供を妊娠してしまいましたから。｣

その日、彼女は自力で来たものではないと言った。現代で作られた自家用船で来ただけだと。魔術師なら何よりも彷徨海に憧れるだろうに、彼女は拒絶した。

それ以来、ずっと海を泳いだことはないとも。

エルメロイⅡ世｢おは...｣

｢急に謝るな！気持ち悪い...！｣

カウレス｢お前が拗ねてるから謝ってるんだ！！！｣

｢誰が拗ねてるって！？｣

エルメロイⅡ世｢......状況、簡略説明。｣

グレイ｢Aさんの嫉妬から始まった喧嘩です！｣

エルメロイⅡ世｢そうか、人とは嫉妬から相手に殺意を抱くのか。このまま放っておいたら、この教室には生徒二人の幽霊が出るなんて...また胃が...｣