アヴァロン ページ2
ようこそ。私の名前はマーリン＿＿＿＿＿君をこの世界へ導いた者だ。
｢......夢魔の名を名乗るなんて、ずいぶんな物好きだね。これはどんな夢なのかな、マーリン。｣
マーリン｢私が話していたいから、君を導いただけだ。おかしい話ではないだろう？｣
｢おお...これは相当な重症だ。｣
心が見える。彼は嘘をついていない、ということは...この世界はアヴァロン。星の内海と呼ばれる場所、罪なき者が通ることを許される場所。
｢どうして私をここに招待したの？｣
マーリン｢君はこの塔から見える景色をどう思う？｣
空気も風も、何もかも温かくて、とても穏やかだ。
悪の可能性が存在しない楽園。世界の裏側。
マーリン｢妖精たちも穏やかだろう。すべてが満たされているのだから、自ら悪を考える必要はないんだ。並の魔術師なら、君とは違う回答を必ず導き出しただろうね。｣
｢まず君に失礼な質問をするだろう。｣
マーリン｢だけど君はそうしなかった。やっぱり君は、なんでもない普通の女の子が似合うよ。｣
そんなことを言うために、私をこの世界に招待したのだろうか。
マーリン｢そしてもう一つ。選定の杖の役割が果たされた時、どうかこの世界に杖を返しに来てくれ。かつてのアーサー王のように、同行者は連れてきていいけど、私はその中でも罪なき者のみを指定する。衛宮士郎、カウレス、イリヤスフィール、モルガン。この四名のみだ。｣
｢......罪なき者。｣
夢が壊れていく。もうすぐで奈落の底へと落ちていく。
マーリン｢これから何をするのか。今、キミたちの心はどこを向いているのか。生命が生命体として在るための理論。生存、繁栄の原理。その確かさ、強さを示した者のみに許された希望の地、アヴァロン。楽園の妖精であるモルガンのマスター、イリヤスフィールは特別枠ということで。そろそろ目覚めの時間だA。｣
どうか、この世界が剪定事象にならんことを。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月10日 18時
