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小さい頃から、何かに夢中になったら弱くなる傾向があった。あの日から魔術なんて思い出せなくなった。
あれだ。根源に到達するため、手段は問いません系の人たちに誘拐された。天才の体を使えばいいだろって安易な考えに巻き込まれて、パニックになって、その瞬間に頭が真っ白になった。
私が天才と言われる理由はその頭にあった。だから怖い思いをした私は、その人たちに何をしろって言われても、何もできなかった。だから死ぬと思った。
それがトラウマで...私はノートに何かを記さないと、魔術のことは一切思い出せなくなった。だからこのノートは、私にとって手放せないものとなっている。
親も分かってくれた。まあ、時計塔に対しては恥ずかしくて話せなかったけど。
｢...おはよう、カウレス。アンデルセンはお酒でいいんだっけ？｣
アンデルセン｢買えたのか。｣
｢お父さんのところから盗んできた。｣
アンデルセン｢マジか。｣
せめてたくさん勉強して、小鳥遊家のために根源に到達する術を見つける。あの時と同じ下手をしたら、私は普通に憧れることさえも捨ててしまう。その前にこの願いを成就する。
｢おっ、パン美味しい。カウレスのはもう置いてあるよ。｣
カウレス｢ありがとー...｣
｢どういたしまして。｣
それに、天才というのは努力家のことだ。かつて存在したケイネスのように、彼の想いを継いだウェイバーのように、私はこの力を我が物とする。
｢今日は中にこもる。あの男の臭い、消しといて。｣
カウレス｢根本から嫌ってんなぁ。｣
｢まあね、だって嫌いだし。｣
カウレス｢そういえばお前の通帳、何千万か入ってたぞ。｣
｢......そう、わかった。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月5日 13時
