脱落者 ページ46
太公望「......負担にならないよう、目覚めの良い術だけは使いました。後は彼女の回復次第ってことで、皆さんは魔術の影響で倒れた一般人たちを、廊下に運び出してください。」
「もう目覚めているけど。」
太公望「さすがは妲己...」
間桐慎二「だから妲己じゃないって言ってるだろ。もう体はいいのか?」
「......一応ね。なんか血管切れた感じもするし、頭もくらくらするし、後でお母さんに見てもらう予定だよ。慎二はライダーを、士郎はランサーを気遣ってあげて。二人とも君の声に応じて助けに来てくれたんだから。」
俺もまた、女を見た。
マスターとあの女の人生を、俺はずっと見ている。その人生をいつかは書き終えるように、ずっと。
アンデルセン「...これがいいな。ああ、今回は清々しく脱稿できそうだ。」
カウレス「ただいまー...」
アンデルセン「Aはどうだ?ずいぶんと苦労したそうだが。」
カウレス「したよ。Aは治療が終わったら、すぐに帰ってくるってさ。......ただ、嫌な気持ちにはなった。殺し合いたくないなぁって。」
書き終えるまでに、かなりの時間がかかりそうだが。
「そういう弱気なことを吐くな、カウレス。私も弱音は吐かないようにするから。」
カウレス「A...」
「嫌なら英霊同士を戦わせるだけで終わる。血原の野郎を殺してから、私たちは英霊同士に戦ってもらうだけでいいんだ。よーし、今から魔術の勉強するぞー。」
カウレス「努力家だな...」
「慎二に魔術回路を10も渡したからね、こっちもそれ以上に頑張らなきゃなの。」
カウレス「......魔術回路を!?成功したのか!?」
「ギリギリ。おやすみ、カウレス。あまり嘘はつかないでよね。最悪なことに、今のお前の恋心もよく聞こえてくるから。」
カウレス「......最悪じゃないだろ、バカ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月5日 13時