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嘘が見える人 ページ35
翌日、私には見えた。
人の心が見えて、聞こえて、そのせいで体調を崩して。めったに倒れない私だし、その時の熱も酷かったから、両親とセイバーには心配をかけた。
三人の目を盗んで、自分に偽装のための魔術を使い、カウレスと住むマンションの一室へ向かう。
いつも通りご飯を作って、食べて、今日はサボるって偽って、自分に与えられた部屋で眠る。
誰も知らないまま、一人で眠る時間は最高と思えた。
カウレス「(放課後、何を作ってやるかな。)」
......どうしても誰かの心の声が聞こえてしまう私にとって、その時間は苦痛の時間になった。
私を見るな。優しい嘘を吐くな。いつも私に正直に、素直にいてほしい。いらない感情で満たされて、自分がそれに押し潰されて、死んでしまいそうで。
?「(まず一人。女の血はやっぱり格別ね。)」
そんな心まで聞きたくなかったと、思わず耳を潰してしまいそうな
最悪な一日の始まりだ。
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月5日 13時