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言峰綺礼。聖堂教会の神父、または代行者。
｢辛ッ！？もっと甘くしとけよ...！｣
激辛麻婆豆腐好きの神父ならまだしも、彼はとにかく胡散臭い。あれでも凛の師匠であり、凛の父親の弟子でもある。
父親を守ることを約束したものの、前回の聖杯戦争で彼の命を守れなかった。
弟子として相当悔しかろう。涙を流す暇もないほど、彼は彼なりに凛の父親のために動き続けてくれた。
｢......これでいいね。後は分量もメモして、それからこれから一週間分の......｣
最近は食事を疎かにしていると聞き、一時的なものだが私が彼の面倒を見ることにしている。ついでに麻婆豆腐のちょうどいい作り方も。
自分で食べるだけならまだしも、あれを他人に押し付けるのが彼の恐ろしいところだ。ここで矯正しておかないと、間違いなく私も餌食になる。
｢これでよしっ。......ん？あれは...｣
オリジナルの甘ソースを入れてから、私は台所に雑に置かれた杖の存在に気付いた。少し薄い紫の布が巻かれた、まだ古くはない杖。
魔力の量が恐ろしいほどに多い。神秘の中でも最上級と呼べるレベルだ。こんなものを雑に放置するなんて、やはりあの神父はどうかしている。
......問題はあの杖をどこで手にし、ここに雑に置くようになったのか。
｢(片付けてやるかぁ...うわっ、すっごい軽い。)｣
言峰綺礼｢話は終わったが...｣
｢神父、この杖はどうしたの？｣
言峰綺礼｢......君はゴリラか？その杖は一般の男が十人がかりでも持てないような重さだ。何故君は軽々しくそれを持っている？｣
｢......は？｣
言峰綺礼｢私でも運ぶのに指が折れそうなぐらいだったが。｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月5日 13時
