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ある晩、ある場所、ある人物を見つめる一人の女。

女は対象が無事だということを確認し、ようやく本日の監視の終わりを告げる。

あくまで本日、これからも監視は続く。

対象がそうであるが故に。もしそうではないように産まれていたなら、女も対象に見向きなどしなかった。

ただそうだったから、偶然なってしまったから。

女は今日も対象を見つめる。この冬木の街で、何をすべきか模索中の未熟者を嘲笑いながら。



「始まりの御三家は、この大聖杯というものを求めて殺し合いをしてるの。つまりはクソゲー、愚行、負の歴史、そんなことするぐらいなら研究でもすれば?などと言いたい放題できるクソ儀式。ここまではオッケー?」

遠坂凛「そんなことを思ってたのね...」

「大聖杯を何らかの方法で取り戻して、自分のために新しく大聖杯をどっかに放置した父親を見て、そう思わない子供がいると思う?まさに愚の骨頂だね!参加者が私たち四人って判明してる時点で、その愚の儀式も平和的に終わりそうだけど。」

衛宮士郎「......つまりはどうするんだ?」

「過去から現在、伝説上の英雄を使って相手を殺す。これが始まりの御三家の一つの間違い、聖杯戦争。はい、後は麻婆神父に説明を聞くことだね!久しぶりに愚痴が吐けてスッキリしましたー!」

衛宮士郎「お、おう...とりあえずバカだからこその悩みは分かったよ。」

カウレス「...衛宮、それは間違いだよ。確かにバカではあるけど、彼女には今まで学んだ魔術を記したノートがあるんだ。最短一分で一通り目にすることで、三日はすべての魔術を覚えていられるんだよ。逆に言えば、四日目以降は何も覚えてないけどね。だからこそ彼女は魔術師の世界で天才と呼ばれ、時計塔でも期待の生徒として注目されてるんだ。」

遠坂凛「そうねぇ。三日間の記憶力は良いわよ、三日間の記憶力は。」

「......愚痴を吐いてスッキリしたはずなのに、今すごく泣きそう。泣いていい?」

衛宮士郎「お、おう...とりあえず泣いておけ。」

.→←四人のマスター、サーヴァント



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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月5日 13時

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