午前0時、アメリカーノに (ページ16)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:84,060 hit

迷惑ページ16

MH「何隠したんですか？」

『ファッ！？』

MH「"ファッ"？」

『今のは忘れてください。あの、いつからそこに？』

MH「ちょっと前です。」

『聞いてました？』

MH「え、何かやばいことでも話してたんですか？」

口に手を当てて何ともわざとらしい素振りだが、ミンハオさんの首にはイヤホンが垂れ下がっていた。
どうやらイヤホンをしていて何も聞こえなかった様子。

MH「なーんて。連絡先貰ったんですよね？」

『げっ……あの、ご内密に。』

MH「そんな気ないなら無理に登録しなくていいと思いますよ。こっちとしても迷惑です。」

『迷惑…すみません。』

MH「まあ、ヒョンが勝手にしてることですけど…あ、そんなことより俺この服買い取りたいです。これお金。」

『あ、はい。是非。』

MH「ありがとうございます。」

そっか。傍からしたら迷惑なんだ。
そりゃそうか。
…ってもしかして私、気づいてなかっただけでミンギュの仕事の邪魔しちゃってたの？
ミンギュの気を紛らわすようなことしてたのかな？
考えれば考えるほど頭がこんがらがっていく。
あ、なんだか頭が重い……

MH「おっと、危ね…。」

『す、すみません。ちょっとフラついて。』

MH「そそっかしいなあんた。……ちょっとすみません。」

『え？』

ミンハオさんは時間をかけてセットした私の前髪のド真ん中に手を入れておでこに当てた。

MH「…やっぱり。Aさん、あんた熱ありますよ。休んだ方が…」

『大丈夫です！私、全然動けますよ！』

MH「でも」

『みんな…特にテヨンに迷惑かけちゃうので。』

MH「…でもこれ以上動いてたらどんどん辛くなりますよ。」

『辛いのには慣れてます！』

MH「マゾ…？俺楽屋に戻りますよ。どうなっても知りませんからね。」

『あははっ、気をつけます。』

朝から少し体が重いなとは思っていたけれど、よりによって大切な撮影当日に熱を出すなんて。体調管理もできないなんて…私、社会人失格だ…。
辛いなんて言ったらみんなに迷惑かけるに決まってる。でもほかの人…特にSEVENTEENの人たちに伝染したら大変だ。
なるべく人を避けよう。

まだ少しだけフラついている体にムチを打って、必要な衣装を持って急いでテヨンがいるスタジオに向かった。

MH「あ、いた。テヨンさん。」

TY「はい？」

MH「本人にはご内密って言われたんですけど…実は…」

TY「…え？本当ですか。」