私の世界、現実 ページ21
結局、私は2日間会社を休んだ。
なんだかんだドタバタしてはいたものの、SEVENTEENの人たちと仕事ができてとても貴重な経験ができて、楽しい数日間を過ごすことも出来た。
余韻に浸れば浸るほど現実に引き戻される今、会社へと運ぶ足が少しずつ重くなっていく。
仕事は楽しいけれど、プレスの卵にとってはまだ辛いことの方が多い。
そんなの当たり前だ。みんなそうだ。ただ、私はまだそれ慣れていないだけ。
しっかり気を引き締めていかなきゃ。
「Aさん。私今から重要なタイアップあるから、これ全部やっといて。」
それでも現実は自分が想像していたものよりもっと厳しい。
私の出社早々、2日分休んだことへの当てつけなのか、それとも生理前なのだろうか。御局様はこれから来るであろう雑誌のタイアップのほとんどを私に押し付けた。
恐らく自分の手柄にしたい大きな雑誌は抜いてある。
雑誌っていうのは日にちは違えどほぼ同じ時期に発売するから、タイアップは1人じゃ抱えきれない。だからプレスが何人もいるんだけどなあ……
なんていうのは口が裂けても言えない。
運がいいことに押し付けられた4誌とも全て違う日程で話し合いが組まれていた。これならなんとかなる。
『了解です。やっておきますね!』
それに病み上がり早々弱気なことばかり言ってられない…大変なのは私だけじゃない。
私以上に大変な人はごまんといる。きっとミンギュだってその1人なんだ。
それに、優秀なプレスになるには沢山経験を積まなきゃ…頑張らなきゃ…。
いい加減、この間のキラキラしていた出来事から離れて目を覚まして。
これが私にとっては当たり前であるべき世界、現実なんだから。
そう言い聞かせて私はキーボードを打ち始めた。
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作者名:ニカ | 作成日時:2017年2月26日 12時