リリィのいない部屋 (ページ25)

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電車に乗り、誰もいない車内でリリィは話しだした

リ「私、両親が離婚してどっちも私を引き取りたくないってなって一人暮らししててん」

「そうやったんや…」

リリィの話によると、ご両親は離婚後それぞれ再婚してリリィを引き取ることを拒否した

昔から友達もおらんかったリリィは孤独を感じ、告白されたら自分を必要としてくれていると思ってしまっていたらしい

リ「大晴くんたちのあの部屋も、学校が終われば誰かは一緒にいてくれたから居心地良くて出ようなんて考えてもなかった」

でも、とリリィは続ける

リ「成田さんのおかげで、それが間違いやったって気づいた」

「うん。ほんまに必要としてて大事にしてくれる人はあんな部屋に閉じ込めたりしやんから」

リ「うん。……ねえ、これからどうするん？もし見つかったら、」

「まだなにも考えてないけど、とりあえず大晴たちに見つからんように遠くに行こう」

リ「ごめん、私のせいで成田さん巻き込んで」

「何言ってるん？言ったやん、友達って。ぜんぜん迷惑ちゃうから」

リ「………ありがとう」

そろそろ学校が終わり、大晴たちがあの部屋へ着く時間やな

リリィの居なくなった部屋を見てどうするんかな

もし、私が連れ出したってバレたら…

想像したら少し怖くなった