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「……着いた」
1回しか来たことないからたどり着くか不安やったけど、なんとかなった
私の考えは、どうか外れていますように
そんなことを祈りながら、インターフォンを押した
「…………………………」
反応がない
「やっぱり思い違いかな」
リリィがここにいるわけない
少し安心して、じゃあこの部屋はいったい何やろうと考えていたら、部屋から物音がした
「え？」
やっぱり誰かいる？
「……もしかして、り、Aさん？」
リ「………………成田さん？」
ドア越しから、リリィの声が聞こえた
ああ、やっぱり大晴は、
6人はリリィをここに閉じ込めてたんや
リ「………なんで私がここにいるってわかったん？」
「たまたま大晴たちがこの部屋に入っていくのを見かけてん。外側にチェーンロックついてるしおかしいと思って…」
リ「……そっか、」
「なあ、なんでここにおるの？」
リ「……大晴くんに別れたいって言ったら連れてこられてん」
「え、」
リ「私、人を好きになったことなくて告白されたらフラフラそっちに行っちゃうんよ。自分でも最低ってわかってるけど、私なんかを好きになってくれるのが嬉しくて…」
「私なんかをって…Aさんは皆に好かれてるやん」
だからここから出よう
そう言うと、リリィはここから出る気は無いと言い放った
「なんで？」
リ「…私、両親おらんしずっと1人やってん。女の子に嫌われてて友達もおらんし。それやったらここにいて、私のことを好きって言ってくれる人とおる方が楽やねん」
「楽とか…そんなんおかしいよ。女の子に嫌われてるって言うけど、私はAさんと友達になりたい」
リ「……え？」
「ここから出て、友達になろう。それで、あの6人か逃げよう」
そう言うと、鍵が開く音がしたから急いで外側のチェーンロックを外す
リ「…ほんまに友達になってくれるん？成田さん」
「うん。ほら、行こ？」
ドアを開けて顔を出したリリィの手を掴んで、思いっきり走った
行先は考えてないけど、とりあえず大晴たちがあの部屋にリリィがおらんことに気付くまでに遠くへ行こう
そう思い、とにかくリリィと一緒に走った
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作者名：ま。 | 作成日時：2023年10月23日 20時
