リリィのいない部屋 (ページ3)

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「お、噂の正門くん」

正「ウワサって…まあ、そうなるよな」

廊下でばったり正門くんに会って、噂のことを聞こうと思ったけどいつものぽやぽや加減が増していたので、これは本当に付き合ってるなと確信したけど、一応聞いてみる

「ほんまにあのリリィと付き合ってるん？」

正「うん、そうやねん」

うわ、めっちゃ嬉しそう

「大晴が悔しがってたで」

正「大晴もAちゃんに憧れてるもんな〜」

「そうやねん」

正「だから、大晴には紹介しにくいわ」

「……せんでもいいんちゃう？」

正「成田さんはその方がええよな」

私の気持ちを知ってる正門くんが、少し意地悪な顔をしてそういうものだから、アホと言っておいた

正「ごめん、ごめん」

「もう、ほんまに大晴の前でもそんな調子やったらバレるからぽやぽや加減少しは抑えてな」

正「え、そんな浮かれてるように見える？」

「めっちゃ」

正「やばいなー、気ぃつけるわ」

そう言いながら正門くんは少し顔をキリッとさせて自分のクラスへ帰っていった

私も自分のクラスへ入ると、大晴はまだおらんかった