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リ｢大晴くんっ｣
福｢あ！Aちゃん！｣
大晴と付き合ってから、毎日のようにこのクラスに来るリリィ
そりゃ、彼氏のクラスに行くのは当たり前かもしれんけど、モヤモヤする
｢………はあ、｣
そんなモヤモヤを抱えたままトイレへ行くと、ちょうどリリィが手を洗っていた
リ｢あ、｣
｢…どうも｣
リ｢大晴くんと幼なじみの成田さんやんね？｣
｢うん、そうやけど…｣
私の態度が冷たかったからか、少し悲しそうな顔をするリリィ
やめて
なんだかすごく惨めな気持ちになる
リ｢やっぱり成田さんは、私の事よく思ってない？｣
｢え、いや…｣
リ｢私、友達おらんからそう思われても慣れてるし平気やけどね｣
｢…………………｣
確かに、リリィが女子と一緒におるところを見たことないかも
でもそれは、男子にフラフラしてるからじゃ…
そう思ったけど、言わないでおいた
｢…大晴のこと、よろしくね｣
リ｢え？｣
｢大晴、ずっとAさんのこと好きやったから悲しませるようなことはせんといてほしい｣
リ｢……うん、わかった｣
｢じゃあ、そういうことで｣
リ｢待って！成田さんは大晴くんのこと好きじゃないん？｣
｢………………………｣
リ｢ごめん、こういうとこやんな。私が皆に嫌われるの｣
本気で反省してるのか、リリィは震えながら下を向いてしまった
｢……好きやったけど、Aさんに敵うわけないし、それに｣
Aさんのこと別に私は嫌いちゃうで
そう言うと、リリィは泣きそうな顔で私を見た
リ｢ほんまに？｣
｢うん｣
リ｢そっか…ありがとう｣
本当は慣れてるし平気なんて嘘なんやろうな
なんとなく、リリィのことを嫌いになれないのは何故なんだろう
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作者名：ま。 | 作成日時：2023年10月23日 20時
