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どうやら噂は本当のようで、見るからに落ち込んだこじけんを見かけたが、話しかけても上の空なのでそっとしておくことにした
｢でもまさか、別れるなんてな｣
福｢な、ちょっと責任感じるよな｣
｢でも、嘘ついてたんはリリィの方やし…｣
多かれ少なかれ、こうなることは決まっていたのかもしれない
そう思わないと、掻き回してしまった私たちまでこじけんに対して罪悪感が残る
｢リリィもなんで彼氏の友達と浮気したりするんやろうな｣
福｢…そうやな、｣
こんなに友達を振り回しているのに大晴はまだリリィが好きなのか、少し複雑そうな顔をしている
それに腹が立って大晴を置いて先に帰ることにした
｢……………あ、｣
末｢おお、成田やん｣
｢末澤先輩、｣
末｢なに浮かない顔してんの｣
｢………いやー、ちょっと｣
末｢もしかして、Aのこと？｣
｢…………はい｣
最近あいつのせいで俺らバラバラやもんなと笑う末澤先輩
今は2人だけやし、思い切って聞いてみよう
｢末澤先輩は、リリィのなんなんですか？｣
末｢んー、元彼？いや、元浮気相手？今はなんもないで｣
｢…なんでリチャ先輩やこじけんのこと裏切ったんですか？｣
末｢裏切ったというか、それくらい俺もあいつのこと好きやから｣
｢じゃあ、なんで今は何もないんですか？｣
末｢さっきからめっちゃ質問するやん｣
そう言ってけらけら笑ってる末澤先輩に、だって気になるからと言うと、真剣な顔で次は大晴と付き合うか不安なん？と聞かれた
｢……………それもありますけど、おかしくないですか？この前から大晴の友達周りとばっかり付き合って｣
末｢まあ正門と付き合った時点でそうなるわな。あいつに関わった奴らみんなAのこと好きになるから｣
｢みんな？｣
末｢みんな。なんか話すと引き込まれるんよ｣
｢…そんなん、顔が可愛いからそう思うだけでしょ｣
末｢まあ、それもあるかもな｣
でも、それだけじゃないねんと言って末澤先輩はバイトの時間だからと立ち去った
｢……顔だけじゃない理由、｣
それが一体なんなのか、私にはまだわからなかった
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作者名：ま。 | 作成日時：2023年10月23日 20時
