154話 なんの歌なんですかね？ ページ9
｢おにぃちゃんどこにいるかな…？｣
俯き小さな拳を作りグッと力を入れ、弱々しくシュウ君は呟く
はぐれて随分経つもんなぁ……そりゃ不安になるよね……
安心させる様に頭を撫でて励ました
『きっとシュウ君を探してる最中だからもう少しの辛抱だよ』
｢ずっとこのまま見つからなかったらどうしよう……。うぅ……ｯ｣
不安に襲われたシュウ君。抑えられない涙は大粒となり、彼の頬を濡らせた
『大丈夫だよ！』と言っても、確信は無いから余計に泣かせてしまうだけだった
どうしたら泣き止んでくれるかな……
私に出来る事……。
『〜♪』
シュウ君を元気づける為か自然と口が動いた
この歌は何の歌なのか分からない。なぜ知っているのか、いつ聞いたのか……
でも私に出来る事はこれだけだと思った
――大丈夫、泣かないで。独りじゃないよ、私が傍にいるから
歌に乗せてシュウ君に伝える
泣いていたシュウ君は、涙を流しながらも大きな目で私に吸い込まれる様に凝視していた。その頭をもう一度撫で微笑みながら歌を紡ぐ
よく頑張ってきたね、えらいね。
その涙が無くなるまで私は君の隣にいるよ
不思議な感覚に駆られながらも歌は終わりを迎える
シュウ君は既に泣き止んでおり、潤んでキラキラと光る目で私を見て笑っていた
｢おねぇちゃん！歌すっごく上手だね！｣
『そ、そうですかね……えへへ』
自然と出た物なのにこんなに褒められるとは……。嬉し恥ずかしさで頭を搔く
すると、何処からかパチパチと手を叩く音が聞こえてきた
周りを見ると公園で遊んでいた筈の大勢の人が、いつの間にか私達を囲んで拍手していた
｢お嬢ちゃん歌上手いねぇ｣
｢ねぇねぇもう一曲歌って！｣
｢今の曲なんて言うの？｣
老若男女皆歌を褒めてくれたけど、結構目立ってしまった……！？派手に行動するなって銃兎さんに怒られるッ……！
内心焦りながら笑顔でありがとうございますと頭を下げる
｢おねぇちゃん！おにぃちゃん達の歌も歌って！！｣
『お、おにぃちゃん達の曲…！？』
おにぃちゃんとは探してる人達の事なのか！？全く分からんのだが！？
｢かっこいい曲だよ！｣
『な、成程……？』
期待の眼差しを向けられているが、そのおにぃちゃんを知らないので歌える訳が無い
どうしたものかと悩んでいると、とある男性が｢すみません！通ります！｣と人混みをかき分け私達の前に現れた
｢っ！！ここに居たのか！シュウ！｣
｢あ！おにぃちゃんだ！！！｣
155話 外の世界は広いようで狭いです→←153話 ある意味迷子です
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刹那(プロフ) - 戦国娘さん» 戦国娘さん読んでいただきありがとうございます！題名に惹かれたなんて嬉しい言葉感激です！頑張って考えた甲斐があります！！次の章は全力制作中なので50話が溜まり次第更新します！！ (2021年3月17日 8時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
戦国娘(プロフ) - 題名に惹かれて全話読破しました！もう次の更新が楽しみすぎますo(><;)(;><)o次話の更新楽しみしてます(*^^*) (2021年3月17日 0時) (レス) id: 008b2d0f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年3月2日 12時
