780話 そんなお守りなんてあるんですね!! ページ43
────イルカショーが終わり時刻は3時半頃。
大きい水族館なのでまだ行けてないコーナーはある。このまま夕方まで水族館にいるのもいいけど、何やら乱数さんはしたい事があるらしい
「ネェネェネェ!近くの店でミサンガ作りの体験が出来るんだって!折角だし、皆で作りに行こーよ!!」
『ミサンガ、ですか?』
初めて聞く言葉だ。モモンガなら聞いたことあるけど……。
首を傾げたら幻太郎さんが察してくれたらしく、分かりやすく説明してくれた
「手首や足首に巻き付ける刺繍糸のお守りです。その糸が切れる時に願いが叶うと言われていて、簡単に作れる事から最近は願いを込めながら自分で編み、身につける人も増えているんです」
『願いが、叶う……!!』
「そうそう!オネーさんを見た感じ、そのペンダントとかブレスレットってプレゼントされた物でしょ?」
『はい!頂いた大切な物です!』
「しかもブレスレットは手作り!!だったらボク達もオネーさんの為に作って、プレゼントしたいなって!!2人はどう思う?」
「俺は作った事ねぇけど面白そうじゃねぇか?誰かの為に何かを作るってのも悪くねぇし」
「そうですね。では小生は、お金が無い貧乏神が寄り付かないよう祈りを込めて編みましょう」
「それ、俺に対してに聞こえるのは気の所為か?」
「おや自覚がおありのようで」
「おい!!!」
「アッハハハ!!じゃあ決まりだね!!皆レッツゴー!!!」
胸ポケットから飴を取り出した乱数さんは、慣れた手つきで包装紙を剥き、ペロリと口の中に含む
そういえばいつも飴を舐めてるイメージだったけど、今日は初めて見たなぁ。なんて眺めていたら、パチッと乱数さんと目が合った。ニヤッ、と口元で弧を描いたと思えば、再び胸ポケットに手を突っ込んだ彼
「なになに〜?もしかしてボクの飴欲しいの?」
『へっ?あ、いや、そういう意味で見てた訳では……』
「大丈夫大丈夫っ。ボクの飴はたっくさんあるからね!!はいどーぞっ!」
断る様に振っていた私の右手を掴んだ彼は、取り出した飴を落とさないよう力強く握らせてきた。あっという間に彼の飴は私の手の中。ポップな絵柄の包装紙に白い棒が刺さっている何処にでもある飴
貰ったからには頂かないと失礼だ
そう包装紙を剥き、現れたピンク色の球体を口の中に放り込む
じわぁ……と甘酸っぱいストロベリーが口の中で広がる。癖になりそうな甘さ。小さな丸なのに幸せになれる飴というのは不思議なお菓子だ
781話 面白そうなカフェですね!!→←779話 イルカとペンギンの凄いコンビネーションです!!
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作者名:刹那 | 作成日時:2022年8月23日 15時