779話 イルカとペンギンの凄いコンビネーションです!! ページ42
《では楽しんでいる中失礼しました》
『あ、銃兎さん、本当に何でも無か───』
────ブツッ。
遠慮の無い切断音が耳を刺した
結局何があったのか分かんなかったなぁ……。掛け直すのも仕事中だろうし、止めておこう
そう自分の中で片付けて、イルカショーの場所へと駆け足で向かった
・
本日2度目のショーへ続く扉を押し開けると、ステージでペンギンとイルカがボールを使ってパフォーマンスをしている光景が目に入った。器用に頭突きでボールを飛ばし、落とす事無く見事なラリーをしている
慌てて元の場所に戻れば3人共「おかえり」と言ってくれた
「オネーさん遅かったね?イルカさん達次のパフォーマンス始めちゃったよ?」
『すみません、ちょっと電話があったんですよ』
「遅かったから迷子になってんじゃねぇかって言ってたんだよ」
『館内にはマップがありますし迷子にはなりませんっ!』
「電話と言っていましたが、何か急用でも?」
『うーん、銃兎さんからだったんですけど、私の居場所を聞いてきただけで直ぐ切られてしまいました』
「変なのー。もしかして帝統が何かやらかした気配とかしたのかなぁ?」
「そんな俺信用ねぇかよ!!」
「えぇ無いですね」
「おい!!!」
────イルカショーはこの後数十分という長い時間行われた。ボールのパフォーマンスの他にも、イルカの上にペンギンが乗ったり、ペンギンが組体操をしたり、2匹のイルカが高く飛びハイタッチをする等、とても難しそうなパフォーマンスを見せてくれた
終わりが近付くにつれ此方に飛んでくる水飛沫は激しさを増し、それを4人で真っ向から受け全力で楽しんだ
《────以上!!ワクワクドキドキイルカショーでした!!また皆さん来て下さいね!!》
ステージのお姉さんがそう挨拶すると、周りの観客は満足気な表情を浮かべ出入り口へ向かいだした
私達はと言うと各々のんびりと感想を述べながら、ビショビショになった合羽を脱ぐ
「すっごく楽しかったネ!!」
『はい!!とても見応えのあるショーでした!!』
「言葉というコミュニケーションが取れないにも関わらず、あれ程の連携をする姿は圧巻です」
「だよな。ギャンブルとは違ったスリル感もあるし堪んねぇわ」
『あ、この合羽どうします?』
「確か買った時に袋貰ったからその中に入れよっか。破れてないから、また使えるしね!」
『了解しました!』
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作者名:刹那 | 作成日時:2022年8月23日 15時