741話 嬉しそうな銃兎さんですっ！！ ページ2
｢皆楽しそうだな。何の話をしているのだ？｣
『あっ、理鶯さん！おかえりなさいです！』
｢あぁただいま｣
銃兎さんの猛烈なプレゼンに左馬刻さんの頭が爆発しそうな頃、理鶯さんが帰ってきた。激しいトレーニングに暑くなったのか、いつもの迷彩柄の上着は脱ぎ、首にタオルを掛けた赤のタンクトップ姿で汗がキラキラと輝いていた
タオルで汗を拭った理鶯さんは私の隣に胡座をかいて再び尋ねると、左馬刻さんが親指で銃兎さんを指して口を開いた
｢ゲーマーの話に付き合ってた｣
｢誰がゲーマーだ。普段ゲームをしない貴方の為に、わかり易く説明して差し上げただけではないですか｣
｢何にがわかり易くだよ。ちんぷんかんぷんだったわ｣
｢貴方のおつむの問題では？｣
｢ンだとォ！！？｣
身を乗り出し銃兎さんの胸ぐらを掴もうとする左馬刻さんに、理鶯さんがすかさず彼の後ろ襟を掴み、強引に元の位置に戻した。素晴らしい反射神経と腕力は流石軍人。私には出来ない……
戻された本人は｢うぐっ！！？｣と詰まった声を漏らし、怒鳴る相手を理鶯さんに切り替えた
｢オイ理鶯！！この服気に入ってんだから引っ張るなッ！！｣
｢む、そうだったか。それは済まない事をした。ならば次は直接首を鷲掴みをすればいいのか？｣
｢そもそも掴むんじゃねぇ！！｣
｢それで銃兎、小官も貴殿の話に興味があるのだが、もう一度言って貰えないだろうか？｣
｢無視すんなッ！！｣
｢ふふっ、そう言って頂けると嬉しいです。ではまずは復習がてらVRMMOの説明からしましょうか────｣
自分の話に興味を持ってくれた事が本当に嬉しかったようで、銃兎さんは活き活きと手の動きまで付けて語り出した。それを理鶯さんが所々質問をして、私は『成程……』と相槌を打つ。左馬刻さんはと言うと、話に着いて行くのを諦めて肘枕で寝転びながら聞いていた
｢確認なのだが、フルダイブ中は完全無防備になるのだな？｣
｢えぇそうですね、意識は完全にゲームの世界ですから。勿論強制終了は直ぐに行えますが、ここでやるのはオススメ出来ませんね……。貴方のマイクを奪いに来る輩は沢山居ますし｣
｢やるのであれば、左馬刻のセーフハウスか……｣
｢おいおい俺様のセーフハウスをなんだと思ってやがる。普通に考えて銃兎の家だろうが｣
｢小官達は敵に狙われる可能性があるのだ。其方の方が安全だろう？｣
｢何処まで警戒心強ェんだよ……｣
742話 意外とノリノリになってきました！→←740話 左馬刻さんの理解の範疇を超えたみたいです
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作者名：刹那 | 作成日時：2022年8月23日 15時
