515話 覚悟……。ですか…… ページ24
怒ってる様な、困ってる様な笑みを浮かべ3人は私を見る。た、確かに矛盾してたな……その行動……
｢結局お前と一緒なんだよ。考える事は｣
｢ここだけの話、我々は地獄を見てきました。その苦しみを味わってきたから、手段を選ばず護ろうとする。喩え自分の命に関わる事でも、ね｣
『優しいんですね……』
｢優しい、というより我儘なのだ。エゴとも言う｣
｢確かに自己満だよな。誰も頼んでねぇんだからよ｣
｢我々がする必要は無い。ですが、誰かがしなければならない……。なら自分がした方が早いですし、被害も抑えられる可能性がある。そう考えてしまうんですよね
でしょう？Aさん｣
『そ、そうですね……』
｢その慈悲活動は悪い物ではない、それをすれば誰かが救われるのだから。だが自身が傷付けば、自身を大切に思ってくれる人が悲しむ。それを天秤に掛ける事は難しいモノだ｣
｢ハッ、ンなもん俺ら自身が負けねぇくらい強くなれば良い話じゃねぇか｣
｢はぁ……。相変わらず力技、脳筋野郎ですね｣
｢だがその通りでもある。強くなれば攻撃を食らう事はないからな｣
難しく、重い話だが2人は肉やお好み焼きをパクパクと食べ進める。理鶯さんもたこ焼きを近づければパクリと食べた
――強く、か。私も足でまといにならない様に強くならないと……。力も思う様に使えないし、体術もまだまだだし……
自然と俯き考えていると、察したのか包む様な温かい声が上から降り注いだ
｢貴女は充分に強い。小官が保証する｣
顔を上げれば過酷な戦場を本当に体験したのかと疑うくらい綺麗で、澄んでいて、優しい光を宿した蒼の双眸と視線が交わった
｢だが優しすぎるのだ。それが貴女のいい所でもあるのだが、時には弱点となる｣
｢痛てぇ目にあわせるのが嫌でもよ、躊躇ってたらお前かお前の護りてぇモンが傷付く。そん時は覚悟を決めろ｣
反対の側に顔を向けると、理鶯さんと同じく澄んでいて覚悟の輝きを宿した紅の双眸と、己が正義を信じる炎を宿した翠の双眸と視線がぶつかった
｢力と言うのは皆持っています。使い方次第で弱くなったり、強くなったりするだけで｣
『成程……』
｢ま、俺様はお前にンな辛ぇ決断させねぇ様にするけどな！｣
ハハッ、と明るく笑うと牛串を豪快に頬張った。銃兎さんも｢そうですね｣と優しく微笑みイカ焼きを食らいついていた
その姿を見ながら私は――
――何故か寂しさと満たされる様な高揚感、矛盾した感情を抱いた
516話 さよならはまた会う為のおまじない→←514話 護る為にはリスクが必要……ですか……
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刹那(プロフ) - にゃんこさん» 嬉しいお言葉……っ。ありがとうございます！！ (2021年9月28日 23時) (
レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - これからも応援しています。 (2021年9月27日 23時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさんいつもコメントありがとうございます！！楽しみにして頂き嬉しいです！！(*´ω｀*) (2021年9月27日 23時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - おめでとうございます。スッゴク楽しみにしていました。 (2021年9月27日 22時) (レス) id: 37a2cce778 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - おたくちゃんさん» おたくちゃんいつもコメントありがとうございます！！私解釈のMTCは気に入る人物には甘々なんですが、それを尊いと言って下さり嬉しいです( ◜ω◝ ) (2021年9月25日 9時) (レス) id: 3de0358234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2021年9月22日 22時
