【文スト】~恋は盲目と云うけれど~【第弐夜】

第三十一話 私の傍から ページ2

side Jouno

『どうすれば善いんですか…私は』

幾つもの感情が交ざった顔

心音も荒れ 何時もの網野さんとは程遠い

どうするも何も

｢捕まるんですよ｣

手錠を掛けようと手を伸ばす

掴んだのは彼女の手では無く空気だった

そして眼前に迫る脚

(顔を………！)

流石に拙いと思い躱すが

今度は拳が迫る

脚は囮か…

体勢も悪かったため吹っ飛ばされてしまった

｢条野軍曹！？｣

｢大人しく手を挙げろ！！｣

周りの部下が彼女に銃を向ける

息を整えた網野さんは

指示通りにゆっくりと手を挙げ……


笑った


｢総員その場から離れなさい！！｣

抜かった

『すみません条野さん…私、逃げますね』

袖口から出される白い万年筆

呼吸をするように一回転させる

逃げる………？

猟犬から……私の傍から……………？

｢ｯ待ちなさい！網野さん！！｣

見慣れた杖(ステッキ)

彼女はまさしく風の様に目の前から消えた

第三十二話 覚悟していた事実→←犯罪者資料より抜粋

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