続き ページ8
ウィリアムside
僕には、水曜日になると
決まっていつも行くところがある。
そこはまるで自分だけの秘密基地のような場所で
時間を見つけては、必ず本を片手にそこへ向かう。
とはいえ今日は月曜日で、日課の日ではなかったが、
突然休講になったのでそちらに向かっていた。
が、
どうやら先客がいるのだ。
それも、女生徒の。
ある程度周りは警戒していたが、まさか本当に自分以外の人が来るのか、と驚いた。
そして同時に目に入ったのは自分も愛読している数学書。何となく趣味が合う気がしたので、関心ついでに声をかける。
熱心に文字を追っていた瞳がこちらに向けられて。
彼女もまた僕と同じように、「なぜここに人が」と
言いたげな顔をしていた。
が、すぐに柔らかい笑みを浮かべて口を開く。
A「不完全なものが好きなんです。」
なぜだろう、この子とは仲良くなれそうな気がした。いや、興味が沸いたと言うべきだろうか。
「私もです。ちなみに言うならば、
その本のシリーズはオイラーの公式編も面白いですよ。｣
その言葉に反応して、彼女は目を輝かせる。
やはり自分と同じように数学が好きらしかった。
そこからはもうどれくらい話したかなど覚えていない。
数学論にはじまり、近代哲学やシュルレアリスム、
更にはおすすめの紅茶まで、話のジャンルは多岐に渡った。
遠くで3時を知らせるベルが鳴って、ようやく自分達が話に夢中だったと気づく。
「すみません、こんなにも気が合うとは思わなくて、つい話し込んでしまいましたね。」
A「いえ、私もです。
今日は読書よりも有意義な時間を過ごせました。」
そう言って丁寧にお辞儀をし、彼女は寮の方へと去ってゆく。
その後ろ姿に、
まだ聞いていなかった大事な問いを1つ。
「あの、すみません。
最後にもうひとつだけ。
貴女のお名前を教えてください。」
艶のある黒髪を揺らして、彼女がまた振り返る。
その一瞬だったのかもしれない。
A「Aです。
またここで会えたら、
その時は呼んでください。((ニコ」
ー彼女を好きになってしまったのは。
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刹那(プロフ) - ユウコさん» キュンキュンしてもらえて嬉しいです！ありがとうございます！モランのとこはあくまで「ベッドの」なか、なんで笑笑 (2023年5月7日 9時) (
レス) @page23 id: 27121908b8 (このIDを非表示/違反報告)
ユウコ - キュンキュンな話。今の所、最初(ウィリアム)からボンドまでずっとキュンキュンしてます!!特にモランww彼女の言い方がちょいヤバいですね。モラン理性と本能の間でものすごく心が揺れていそうだwww (2023年5月7日 0時) (レス) @page24 id: e69146a4aa (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - アルパカさん» あ、それはめちゃくちゃありがたいです！ではそうさせてもらいます！ (2023年1月24日 18時) (レス) id: fab3319ffa (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - 特に指定はないので、このシチュエーションだったら書ける、というときにちょこちょこ無理せず書いていただけたら大丈夫です。 (2023年1月24日 16時) (レス) id: d8ae54bc98 (このIDを非表示/違反報告)
刹那(プロフ) - アルパカさん» どんなシチュがいいとかリクあります？シャーロック兄の初登場が寝起き回だとちょっとハードル高いので笑 (2023年1月23日 19時) (レス) id: fab3319ffa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那 | 作成日時：2022年8月1日 7時
