運がいい ページ24
Aside
昼休みになって友達が教室に来てくれた。
これから彼女と委員会で仕事をしに行くのだが、つい先程委員長から
｢人数が少ないから無しかも｣
とのこと。
だが、来れるなら来て欲しいと言われたので迷った末に結局行くことにした。
仕事をしたい訳では無いしお腹も空いているので、あまり気は進まないが行っておくに越したことはない。
そういうわけで2階の仕事場へと向かう。
ふいに前を歩いていた友達が挨拶をした。
私は靴紐を結んでいたのでそれが誰かは分からなかった。が、談笑し始めた2人の雰囲気を察するにきっと仲のいい先生だろう。
きつく結んだ紐を整えて顔を上げる。
新｢おはよう。｣
A｢おはようございます。｣
またしても新先生。
1日ごとに会っているのでもう貴重な時間とも思わなくなった。
友達｢先生前髪伸びましたねっ！｣
新｢それ皆に言われるんだけど笑｣
友達と目を合わせて楽しそうに笑っている。
文句は言ってもなんだかんだ生徒と仲がいいようだ。
友達｢てかその土どうしたんですか！？｣
A｢ほんとだ、袖すごいことになってますよ。｣
新｢あぁこれね、さっきヘマしちゃった。｣
濃紺のスーツが一部だけ黄色くなっていた。
ほろってあげたいとは思ったものの、まさか出来るはずがない。
小さな脳で会話を続ける方法を考えた。
A｢あー今委員会の資料持ってるんでぜひこれで拭いてください！｣
新｢いやダメでしょ笑笑笑｣
友達｢あははっ！それはやばい笑笑笑笑｣
上手いこと言ったようだ。
久しぶりに向けられた笑顔がとても眩しくて嬉しい。この言葉が良い〆になった。
お互い軽く挨拶をして離れる。
その時、
新｢委員会なめんなよ！笑笑｣
滅多に乗らない先生にツッコミを入れられた。
ちょっと乱暴な口調。
離れた距離が少しだけ縮まった気がした。
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作者名：甜 | 作成日時：2021年3月11日 12時
