時間割と春休み ページ13
新先生side
あと2日で春休みが始まる。
どうせ生徒が休みに入っても教師の仕事量は変わらないのだから、別に何も思うことは無い。
が、
(「新先生、曲聴いてくれたんですね!」)
Aに会えなくなるのは少し辛い。
ついこの前、久しぶりに顔を見られたと思ったらすぐこうなるものだから嫌になる。
最近はため息ばかりだ。
眉間に皺が寄ってきたのでそろそろ休憩しよう。
ふらふらと職員室を出て掲示板に目をとめる。
新しく貼りだされたクラスの春期日程。
そこにはもう俺が受け持つ古文は書かれていなかった。
もしこのまま離任することになったら彼女と話すことはおろか、もう顔を見ることさえも出来なくなる。
新「やっぱり春休みは嫌だな。」
異動のことを考えると変に緊張する。
今回ばかりはまだここにいたいと思った。
いつものミルクティーを持って誰もいない会議室に入る。許可はとっていないが少しなら大丈夫だろう。
いつもの席でなく以前Aが座っていた席に腰を下ろした。
ゆっくりと目を閉じて考える。
春休みのこと。
さっき見た時間割のこと。
異動のこと。
そしてAのこと。
考えても考えても悩み足りないけれど、
新「もうやだ、やってらんない。」
今はただ眠っていたかった。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甜 | 作成日時:2021年3月11日 12時