文学教師 (ページ11)

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会話の無い会話ページ11

桜木先生=英語の先生(声大きめ)って設定追加です！
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新先生side

あの曲を聴いてから心が軽くなったような気がする。
今までの自分を救われたような、気持ちを汲み取って貰えたような感じがあった。

そのおかげで出来た国語系の学年末試験。
我ながらいい出来だ。
今回は引っ掛けもあるからそう簡単に手は出せないだろう。

久しぶりに気分が良かったので、授業の10分休憩中に軽く電子書籍を読んだ。
いつもは時間が無くて後回しにしていた本。
それが読めているのも、元を辿ればAのおかげなのかもしれない。

一通り読み終えてから授業の準備をしつつ、予鈴前の時計を探した。

時間を確認する中で、目の前のクラスの様子がちらと視界に入った。

そこには、席替えで後ろの席になったAがいた。

本に注いでいた視線を微かに彼女の方に持っていく。
すると、

桜木｢Let's staaaaaart！！！！｣

A｢っふぁっっっ！？！？｣((ガタンッッッ！

不意に現れた桜木先生の掛け声と共にAが飛び上がった。
きっと彼女は先生の大声に驚いたのだろう。

遠くから見ている側からすれば今のは実に面白い。
思わず笑いが込み上げてきた。

新｢っふふっ！！｣

A｢えっ、/////｣

その声は彼女に聞こえていた。
慌てたような表情でこちらを見るので、つい見返してまた笑ってしまう。
そしてAもまた、恥ずかしそうにはにかんでみせた。

言葉は交わしていないけれど、心が通った会話は続いた気がする。

話さなくてもAと笑い合えたのが

なんだか少し嬉しくて

でも気恥ずかしくて。

その後の授業に身が入らなかったのは秘密にしておこう。