望んでいた最悪な展開 ページ4
「誰ってwまぁ、察しはついとると思うけど暗殺者やな」
急に殺気が感じられたと思えば、眼の前にはナイフ。
そして躱してみたが一体誰なのだろうか？
たしかにお金持ちの部類ではあるが、うちの会社を潰したいなら狙うのは父か兄だろう。
父は言わずもがな現社長。兄は次期社長がほぼ決まっているようなものである。
私は政略結婚に出される予定もない。
すなわち私を暗殺するメリットはない。
そこから生み出される答えはつまり……
『あぁ、なるほど。私怨か』
「冷静やな〜？暗殺慣れでもしとるん？」
『いや、はじめてだな』
「ブハｯwwwはじめてでそれとかやばすぎやろ」
私の返答を聞いて自称暗殺者は笑い出した。いや、暗殺者なんだろうけど。
とりあえず私の予想はあってるらしい。
たしかに人生の転機とかそういうのは望んでいたが、暗殺されたいなぞ望んでいたわけではないのだが…
だがまぁ、会話ができる暗殺者というのはまだラッキーな方だろう。
いや、それくらい余裕がある凄腕という可能性もあるのだけれど。
『ん〜、できれば帰ってほしい。私はただの学生だ。動きを見ている限り勝てるかもわからん。勝ったとしても殺してはいけないし殺さないにしろ後処理が多すぎる。今は深夜なんだぞ？』
「はぇ〜。大した自信。俺に勝てる可能性があると思っとるんか？
クヒヒｯwww楽しそうやな〜w期待してなかったのにとんだ大当たり引いてしまったかもなwやからさ、俺と遊ぼうぜ〜ww」
『ッ、もう少し話を聞いてくれたって良いだろｯ！！』
どうやら相手は戦闘狂らしく、なにかダメな部分を踏んでしまったのか急に殺気が感じられた。
そんな武器なんて隠し持っているわけがないので、相手が先程投げたナイフを壁から引っこ抜き、いつの間にか目の前に来ていた相手のナイフにナイフを合わせる。
予想はしていたが、ナイフが合わさった瞬間瞬時に理解する。
私よりどう考えても力が強い。このまま力勝負になれば押し返されてそのまま首を斬られることは明確。つまり私はナイフで相手のナイフを受け流すしかない。
「ナイフの扱い上手いやん！！それで初めてとか育てたらもっとおもろそうやなw！！」
『だったらお引き取り願いたいんだが』
「いや〜！仕事は仕事やからな！やからあんたがくたばるまで俺と遊ぼ？な！！」
ニヒヒと嬉しそうに殺気をこぼす暗殺者。
いつ死ぬかわからない殺し合い。
なんというか、不思議な感覚だ＿＿＿
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作者名：neko | 作成日時：2024年1月7日 19時
