【d!】物語は終結しました (ページ2)

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醜い嫉妬に溺れるページ2

「私、数学の点数が良かったのよね！だからお父様がペットを買ってくださったの！」

「まぁ、羨ましいわ…」

学生が頻繁に行わなければいけないイベントの一つである定期テスト。
それはお嬢様、お坊ちゃまが通う学校でももちろん定期的にあり、クラスの話題はテストのことばかりだ。

「そういえば今回のテスト、1位は誰だったのかしら？」

「あぁ、いつも通り青井さんでしたよ」

そう言って彼女たちは窓際で1人読書をしている彼女を見る。
廊下に貼ってあるテストの結果一覧には毎回”1位青井A”という文字があり、ほぼ満点に近い点数を毎度叩き出していた。

その上スポーツも万能なこともあって、有名企業の令嬢ではないものの一目おかれている存在である。

だがきっと彼女はそのどれもが無能だったとしても一目置かれていただろう。

青みがかった黒髪が風に靡けば、長い睫毛に縁取られた朱色の瞳がはっきり覗かれる。鼻の高さ、眉の位置、小さな顔に白い肌。どれをとっても美しい彫刻のような造形美であり、モデル顔負けの美人なのだから。

無表情で人を寄せ付けないような空気があるものの、その美しさに酔いしれ、愛を囁く男だっているほどだ。

『・・・』

そんな彼女は、テストの結果が表示されたばかりでありいつもより目立っているにも関わらず、とても退屈そうに、いや……いつも通り読書をしている。

＿＿＿アイツサエイナケレバｯ

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【ある客間での会話】

「この少女の暗殺を依頼したい」

高級感あふれるソファーに座った紳士のような男は、ポケットから1枚の写真を取り出す。
そこに写っているのは黒髪に朱色の瞳を持った学生であり、目線から盗撮されたもののように思われる。

「…この制服、そっちの娘さんと同じ学校っぽいけどなんで殺したいんや？」

長い前髪から翡翠の双眼がチラリと覗かれ、紳士の隣に天使を思わせるような純白のネグリジェを着こなしながら、写真を見て恨めしそうに眉を顰めるお嬢様を捉えた。

「この女…たかが弱小企業の社長令嬢のくせに、どの教科でも私の上に立っているのよ！？不相応なくせして涼しい顔で！！！？そんなの、許されるわけがないわ！！！」

逆恨み、醜い嫉妬。

蝶よ花よと育てられたせいで自分より上がいることが許せないのだろう。あぁ、なんと愚か。
そしてその嫉妬を咎めず後押しする親もなんと愚かなのだろうか。