【2j3j】レンタル彼女は愛されたい (ページ25)

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「えっと、もしかしてAちゃんかな…？」

『ｯ！…え、えっと…あ、叶さんですかね…？』

急に声をかけられたからか、ビクリと肩を跳ねさせる姿さえ愛おしいと思ってしまうくらい僕は興奮しているらしい。

「…その隈どうしたの？」

『え、あ、その…最近ゲームのしすぎで……』

Aちゃんの透き通った瞳を見れば、いや見ずともすぐに気づいてしまうくらいくっきりと彼女の白い肌に隈が残っていた。

昨日の配信では隈はなかったから、もしかしたら普段はコンシーラーで隠してるのかもしれない。

だけど意外だった。

Aちゃんは、雑談とかをメインでしてるライバーだ。

実際、ゲーム配信は一週間前に一度やったきりやってない。

配信でたまに話しているが、ゲームも殆ど触れたことがないらしくて、一週間前にやってたマリカでは、30分ほどしか今までしたことがないらしくて、100ccの相手がcpuのみで1位をちょこちょこ取れたくらいの強さ。

ショトカも一切知らない、完全に初心者だけど、ゲームセンスは悪くはないくらいのレベルの子。

もしかしてゲームをやってみてゲームの面白さに気づいたんだろうか？とも思ったが、見てるにそうでもないようだ。

彼女のスマホに開かれている難しいショトカの説明動画、あまり楽しそうではない、どちらかというと苦しそうな顔色。

それを見てればすぐに察しはつく。

「……ねぇ、今楽しい…？」

『ッ……』

思わずそう聞くと肩のビクつきさえないけれど、一瞬少しだけ開かれた瞼。

彼女が抱いてる感情を僕は知っている。

もっと上手くならないと、足を引っ張らないように練習をしないと。そんな誰がためを思ってプレイする苦しいゲーム。

ゲームを始めたばかりで、ゲームコラボなんてしたことがない彼女がなぜそこまで思うかと言われたら、少しなんでだろうと思ってしまうが、きっと彼女はそういう心情なんだろう。

『楽しいですよ？』

無理やり笑うのでもなく、黙るのでもなく、さもなぜそんなことを聞いたんだろうという声色で返事をする彼女。

仕事柄嘘は得意なんだろうけど、彼女の敗因は僕が彼女を好きすぎたことにあると思う。

「そっか……

じゃあ僕と一緒にゲームする？」

『ぇ…？』

わかってしまったんだ。

きっと彼女は今”は”僕を頼ってくれない。

だから彼女が頼れる存在になりたいって”思ってしまった”

溺れてほしいと願って(狂って)しまった