3話 ページ3
開店すると先程よりも濃い香水の匂いと共に、着飾った麗しい女性の方が波のように店へと入場する。
開店初めは人が波のように入ってくるので、案内係の人は大変そうだなと思いながらボトルの準備をする。
営業中の私の仕事は備品のチェックやボトルの準備、会計やお客様の案内。
初めは備品チェックをするので人の波が多い開店時間は案内役じゃない。
開店のときはお客様がつけたいホストを私が先私が先と、迷惑客にならないように無言の取り合いが始まるのでコワイ。
ホストも怖いけどお客様も怖い。
『えっと、次はこのボトル…』
「あの、Aさん！」
『ん？どうしたの？』
この子は一ヶ月くらい前から働いてる黒服でまだまだ新人だ。
ちなみに私は1年半くらいここで働いている。
「えっと”Broooock”さんのところにモエピンはいりました」
『え、ぶるーくさん来てたんだ』
私はあまり発音が良くないのでひらがな表記で読んでしまうが、Broooockさんはきんときさんと同様このホストクラブで人気上位のホスト、白尾の一人だ。
白尾の中で一番高身長、顔良し、だけどよくサボるし接客中に寝ちゃうこともある厄介ホスト。
なのに接客中は甘えん坊だしで心を鷲掴みにされたお客様は少なくない。
今日は見なかったのでサボりかな？と思っていたのだが、私が倉庫の備品チェックをしてる時に遅れてきたらしく入れ替わりになってしまったようだ。
サボってなくても遅れてるのはダメだけどね！本当人気なんだからきんときさんとかを見習ってほしい！そしてじゃんじゃん稼いでほしい！！(黒服は店の収益の一部が給料になるから)
『はい、どうぞ』
「ありがとうございm…あれ？もしかして彼氏でもできたんですか？」
『へ？』
彼氏なんて作ったことも作ろうとしたこともありませんがと思いながらはてなマークを浮かべていると、黒服の子が私の顔…ではなく首を指さしてきた。
「ほら、ここ紅くなってますよ？」
『エ…』
近くにあった鏡で確認すると、たしかに赤くなっていた。
だが、蚊に刺された覚えなんぞ無いし、所詮キスマークつけられた覚えも……
『……私覚えないから蚊に刺されたんじゃないかな？はいボトル！早く持ってって！！』ﾆｺﾆｺ
「え！…は、はい。わかりました！」
姿が見えなくなると私は深い溜め息をつきながら手を少し痛いくらい握りしめる。
きんとき
『あの腹黒が……』
やっぱりホストは色々怖い。
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_ - コメント失礼します。他の作品と出来事や会話が似ていると感じたのですが、この小説はご自身で考えられた作品ですか？ (2023年3月9日 0時) (
レス) id: 1c45d0240e (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年2月8日 13時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
鬼婆 - 滅茶苦茶面白かったです！ (2023年2月6日 17時) (レス) @page9 id: 26e3f5c977 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 好きです(告白) (2023年1月15日 19時) (レス) @page5 id: 3a92fc0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぅ | 作成日時：2023年1月15日 17時
