1話 ページ1
何度来ても迷ってしまいそうなネオン街。
目的地にたどり着けば扉にはCLOSEと書かれた看板がある。
『A入ります』
そう言えばすぐに更衣室へ向かう。
更衣室にかけられた白のワイシャツ、紺色のネクタイを結び、黒い無地のスーツを着る。
肩まである黒髪を結び、清潔感ある格好をしているか鏡で確認すれば、最後にネクタイをもう一度締め直し、黒服としての私が完成する。
私は1年ほど前からこのホストクラブで黒服として働いている。
理由は働く時間の割に給料が高いので、大学生してる私にとって最高の職場なのだ。
酒臭いし香水臭いし、偶に厄介な客いるけどね？
あたりを見るとチラホラ働いている黒服がいるので私もすぐに作業に取り掛かる。
まだ開店時間では、この時間に来ているのはほぼ黒服くらいだろう。
チャームの準備や卓の準備などいつもどおりのことをする。
もうそろそろ開店時間なので最後に残っていたイスを卓まで運ぼうとする。
別に力持ちとかそんなんじゃないので両手で持って少し不格好な歩き方をしていると、イスによって重くなっていた腕が軽くなった。
『え？あ、”きんとき”さん！私が運んでるので大丈夫ですよ！！』
私が働いているホストクラブは、複数のホストクラブがあるネオン街では1,2を争うほど人気がある。
そんな人気ホストクラブでは通称白尾やらワイテルズやらと呼ばれている人気上位ホストが6人いる。
kn「いいの、いいの。Aは女の子なんだから俺に頼ってよ」ﾆｺｯ
この優しそうなイケメンすぎる笑顔を向けてくるのは、人気上位ホストの一人であるきんときさん。
オラオラ系じゃなくてすごく優しい、顔もいい、ついでに歌も上手い。
ラストソングのときもそうだが、接客中も頼まれたら歌っているので、裏方にいても聞き入りそうになる歌声だ。
人気上位ホストはキャラが濃いのか、サボりやらやらかしやらが多い白尾の中で真面目枠に入るきんときさん。
開店時間前には絶対来るし、私みたいな黒服の仕事をよく手伝ってくれる。
優しい……そう、優しいのだが少〜し、ほんの少し困っていることがあるとするのならば……
『いや、本当に手伝ってくれてありがとうございます』
kn「ふふっ…俺が手伝いたかっただけだから。あ、でもお礼とかしたいなら
……Aからの指名がほしいな？」
コレである。
別に彼だけじゃないけどなぜ金なんてほとんどない黒服に指名せがむの？
え、嫌がらせ？？？
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_ - コメント失礼します。他の作品と出来事や会話が似ていると感じたのですが、この小説はご自身で考えられた作品ですか？ (2023年3月9日 0時) (
レス) id: 1c45d0240e (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (2023年2月8日 13時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
鬼婆 - 滅茶苦茶面白かったです！ (2023年2月6日 17時) (レス) @page9 id: 26e3f5c977 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 好きです(告白) (2023年1月15日 19時) (レス) @page5 id: 3a92fc0ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぅ | 作成日時：2023年1月15日 17時
