森の魔女様は不老不死 (ページ5)

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3話ページ5

『……もう8時か。そろそろ動きますか。』

少し眠いけど、ダラダラし過ぎもよくないもんね。

私はA。転生者である。

と言っても、転生してから500年くらいはたっているので、苗字は忘れてしまった。

少しづつ前世の記憶が薄れてきたので、前世について書き記したノートは、この世界と全く違って少し面白い。

確か20年ほどは、地球というところで過ごしたはずなのに、500年も経てば薄れてしまうものなんだな。

500年も経っているが、結婚はおろか、友達と呼べる相手も人間ではいない。

『ん？魔力食べに来たの？』

赤、青、緑、黄色なんかの、様々な色の光を放つものが近づいてきた。

この光は精霊で、よく私の魔力を食べに来ている。

森に満ち溢れる魔力でもいいのだが、私の魔力を気に入っているらしい。

200年後半くらいから、レベルもカンストしているので魔力は多いほうだ。

だから、1日で何十匹の精霊に魔力を与えても全く枯渇することはない。

精霊は魔力の塊みたいなものだから、こうやって魔力を食べないと消滅してしまう。

だから、大体の精霊の寿命は1年ほどだが、この森にいる精霊の殆どは、寿命が200年以上という圧倒的な差がある。

まぁ、私が与えてるからなんだけどね…。

精霊以外の友達と言えば……。

「A！今日狩りできなかったからちょっとだけ食べ物ないかな…？」

『そうなの？奥さん今子供産んでるんだもんね。はい、ウルフのお肉だよ。』

ちなみに私がお話をしているのは動物である。

どうやら、言語理解というスキルは、動物にすら適応するらしい。

まぁ、話し相手がたくさんいるおかげで、今日も平和に過ごせている。

もちろん危険な目にあったことはある。

元々この森の主だったドラゴンに襲われて、不老不死のスキルを一度発動してしまった。

本当にあのときの恐怖は今まで感じた恐怖の比ではなかった。

改めて自分が不老不死なんだなって思ったよね。

おかげで私の右足には、輪っかのような傷跡がある。

まぁ、治ってるし変色はしてないけど。

相打ちだったらしく、経験値もたくさんもらえたので良しとしよう。

『うん。もう勝った本を読み終えてしまったな。』

私の家の隣にある書庫…。まぁ本が多すぎて物置になりつつあるが……。

1万はある書庫。先月買った分を全て、5度も読み直したので、そろそろ新しい本を買いに行こうと思う。

『一ヶ月ぶりに街に降りるか……。』