13.意外な言葉 ページ13
-F-
この話を、誰かにするのは初めてだった。
何故だろう。北山になら話せそうだったから。
直感で北山のことを信じられると思った自分がいた。
それでも勇気はそれなりにいる。
呼吸を整えて、話そうと北山の方を向く。
北山も、真っ直ぐに俺の方を見てくれた。
F「北山、さっき欲がないって言ってたよね。」
Ki「え、ああ…。」
F「俺はさ、まあそれなりにあるんだよ。
ただ、どうも長続きしなくてさ。
俺から振ることってほとんど無くて
大体は振られる方なんだけど。」
Ki「藤ヶ谷、モテそうなのに…。」
F「付き合っていくうちに、疲れる。
そう言われることが多いかも。
俺さ、割と面倒くさい話とかが好きなんだよ。
他愛ない話ももちろん好きなんだけどさ。」
Ki「藤ヶ谷は、じゃあ、深く考えることが
好きってことなの?」
F「そうそう。
ただ、歴代の恋人たちがそういうの苦手な子たちで
つまんないとか、理屈っぽいとか言われるんだよ。」
そういうと北山は、ふーん…と言いながら
頼んだ珈琲を飲んでいた。
話のオチなんか付けられないから、
つまらない話になりがちな俺の話を
こうして聞いてくれる人はなんだか久しぶりで
北山にはいくらでも話してしまいそうだった。
北山にならという安心感も相まったのか
つい「俺にもいつか出来たらいいんだけどな。」と
愚痴のようになってしまった。
北山は下手に慰めるわけでもなくただこう言った。
Ki「だったら俺がなろうか?」
冗談かと思って聞き返そうと思ったその時に
店員さんがお冷のおかわりを持ってきた。
…冗談だよな、まだ出逢って1週間経ってないぞ。
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ちび(プロフ) - 藤北話 めっちゃ好きなんです、続き待ってます⚪︎ 話めっちゃ楽しかったです⚪︎ (2023年2月23日 13時) (レス) @page13 id: ff59837987 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊月 | 作成日時:2021年12月12日 12時