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俺はまた、修行から逃げ出していた。




爺ちゃんには申し訳ないけれど、俺には無理なんだ。

あんなに稽古をしてくれても、俺は爺ちゃんの期待に答えられないよ。



沢山言い訳を並べながら森を駆ける。

疲れてきた頃に、丁度良く神社が見えてきた。



よし、あそこで休憩しよう。




「こんな所あったんだなぁ」



少し長く続く階段を登る。


木の葉の隙間から、暖かな日差しが階段の隅の苔を照らす。


今日、こんなに良い天気だったっけ。


_カラン_


ふと耳を澄ますと、心地のよい風の音と共に、今までに聞いたことの無い音が聞こえてきた。




「なんだ、この音」



神社に近付くにつれ、その音も段々大きくなってくる。


何だか、聞いていてふわふわするような、心地よくなるような、不思議な音だった。




その音に吸い寄せられるかのように歩を進め、石段を登りきる。







ふわり、と優しい風が頬を撫でた。


目の前の女の子が、ゆっくりと俺を振り返る。



___カラン___




彼女と目が合った。
胸の中に、あの音が大きく響き渡る。





「キミ、もしかして___」




俺を見て、大きく目を見張ったその子が口を開いた。





「私が見えるの?」





綺麗だと、思った。

彼女の丸い瞳が、俺を映し出している。




「見えるよ」




呆然とその場に立ち尽くす。
俺の口から、そんな言葉がポロリと零れ落ちた。





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名無し94249号(プロフ) - パスワード教えてくださいませんか? (2019年12月27日 17時) (レス) id: 8a59bf4e66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し94249号(プロフ) - パスワード教えてくださいませんか? (2019年12月27日 17時) (レス) id: 8a59bf4e66 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 - 新作も見ました。とても良い作品でした! (2019年11月30日 18時) (レス) id: 345ee1e063 (このIDを非表示/違反報告)
さら - 鬼の女の子とは...ねずこちゃんですね! (2019年11月24日 18時) (レス) id: eb6c59978d (このIDを非表示/違反報告)
ななつき(プロフ) - この話好き。消さないで欲しい。また新作楽しみにしてる (2019年11月16日 1時) (レス) id: 9b592ae29e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年11月5日 18時

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