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どうして、いつもお前は私の前に立つ
どうして、いつも私の視界を占領する
どうして、お前はそんなに……
眩しいものを見るかの様に
目を細めた葵は背後を取られる。
腕を掴まれ、また身動きを封じられる。
「もうやめろ」
静かな声色に、悔しさが込み上げる。
ｷﾞﾘｷﾞﾘと痛む腕が、自分の無力さを物語る
「お前の言いたいことは分かった。だから、もう…」
『止めない!』
「おい、暴れるな」
『…お前に分かる訳ない。分かって堪るものか‼』
こんな所で引き下がれない。
肩を外してでも、紅丸の腕から逃げ出す。
落下していく中、最後の力を振り絞る。
もう、言う事を聞かない身体で
真っ暗な空に手を翳す。
新月。
それは、月が太陽と同じ方向にある瞬間。
太陽の光が月の裏側に当たり、月は暗くて見えない。
そして、月齢が「0」になる瞬間。
終わりであり、始まりの月。
『
葵の背後に夜が集まっていく。
夜は円を描き、本来なら見えない月を見せる。
黒い月は燃えはせぬ、爆炎も吐かぬ。
ただ、その一閃はあらゆるものを消し去るのみ。
だから、アイツを
弱い私を
何もかも消し去って
この技は、相当な熱量を必要とされる技だ。
使用後は、ほとんど身体が動かせなくなる。
だから、これは賭けなのだ。
意地を賭け、プライドを駆け
命を懸けた大博打。
この手で始めた喧嘩なら、この手で幕を引かねば。
終わりを告げる黒い月は、浅草を飲み込まん勢いで膨張していく。
触れるもの全て砂塵と解かす。
光も音も、何もかもが無に帰る。
葵は、静寂に包まれた落ちゆく世界で光背をみた。
夜を払う日ノ輪。一薙ぎで夜を消え去る。
月は太陽には勝てない。
分かってた。
こんな事に意味がない事くらい。
始める前から結果は見えてた。
でも、こうせざる終えなかった
これ以外の方法なんて見つけられなかった。
苦しかった。
悲しかった。
暗い海の底で、溺れる私。
息の仕方も、浮かび方も分からす、ただ沈んでいく。
それなのに光を求める様に、必死に手を伸ばした。
"助けて"
伸ばした先にお前がいた。
あぁ、私の負けだ
悔しけど、アイツには勝てない
太陽は眩い光を放つ。
眩しくて、また目を細める。
どうかその手で
貴方の手で
"私"を終わらせてください
「日輪‼」
太陽が月を射抜く。
夜に月が沈んでいく。
朝露が1つ紅丸の頬を濡らした。
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たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 長文になってしまい、大変申し訳ありません。以下が、この作品に設けた私なり定義です。なっちゃん様や他の読者様には、ご不便をお掛けしますが、なにとぞご容赦を頂ければと。 (2020年7月12日 8時) (
レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 2つ目は、私個人の思い入れです。葵とは、太陽向かって成長する植物です。漢字自体も太陽と関わり深く、それで紅丸との関係性を表現しています。また、紺炉と紅丸の名前に色が含まれており、設定上紺と同系色の響きのある名前でイメージを統一する必要があったからです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 1つ目は、物語の雰囲気を優先したからです。薄々とは感じて頂いていると思いますが、この3人の関係にはウェイトを置いていて書いております。その為、名前というキャラクター構成の要となる部分が不確定だと、物語を引き締められないと判断し、使用しない事にしたのです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» コメントありがとうございます。名前の変更はコレを書くと決めた時に、熟考を重ね、しないと決めたので、大変申し訳ないのですが致しかねます。長文になりますが、名前変更をしなかった理由は2つあります。 (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なっちん(プロフ) - 初めまして^^*お話とても好きです∩ω<`あの名前の変換はできないのでしょうか(;o;)?? (2020年7月12日 7時) (携帯から) (レス) id: 86e7fd8910 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぱく質 | 作成日時：2020年7月8日 21時
