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紺炉の命令のもと、焔人の屠る葵。
大きな跳躍の中で指揮者の様に腕を軽く振れば、槍が空を舞う。
そして、全く別の所にいる焔人たちが同時に灰になる。

今の葵にとって、鎮魂などもはや作業でしかない。
いかに効率よく処理することしか頭にない。

だから、葵は鎮魂をしないのだ。

葵にとっての命は軽い。

葵にとって紺炉以外は全部紙なのだ。
狩る命も、守る命もすべて皆一様なのだ。

思入れもなければ、哀傷すらない。


誰も彼も、紙を捨てるのに心を動かさない



欠けた部から黒が溢れてくる。




夜風を切って、西区の路地に着地する葵。
今ので、西区に居る焔人はすべて処理した

次は北区だ…

脚に力を入れ、再び地面を蹴ろうとした時。
いつもの呑気な声が背後からした。


「小隊長〜。探したんですよ」


目だけ寄越せば、いつもの部下3人。
近づいてくる3人に葵は身体を向けると
一度、頭の先から足の先まで見る。
そして、一呼吸の後に指を弾く。


そうすれば、生温い赤い雨が降る。
刎ねられた2つの首。頽れる体躯。
静かに歩み寄る葵だが
あと数歩の所で、最後の1人が刃物を取り出し、
襲い掛かってくる。

葵は伸びてきた腕掴み、素早く横に体を開く。
すると、相手は前のめりになるので
掴んだ腕を背中の方へねじり上げた。
カランと頼りない音をたて、刃物が落ちる。


『懲りないやつだな。同じ手がいつまでも通じると思うなよ』

「クッ。原国主義のクズが。貴様らなど…」


続く言葉が地面にめり込む。
頭を掴んで持ち上げ、部下ではない顔をまじまじと男を見た。


『お前で良いか…』


頭から手を放せば、重力に従って男は落ちていく。
しかし、それは許さないと
地面から突き立つ槍が脚を貫き、無理やり立たせる。

苦痛に歪む顔。
それを見下ろす葵の顔に暗がりが掛かり
どんな感情を浮か出ているのか読めない。

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たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 長文になってしまい、大変申し訳ありません。以下が、この作品に設けた私なり定義です。なっちゃん様や他の読者様には、ご不便をお掛けしますが、なにとぞご容赦を頂ければと。 (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 2つ目は、私個人の思い入れです。葵とは、太陽向かって成長する植物です。漢字自体も太陽と関わり深く、それで紅丸との関係性を表現しています。また、紺炉と紅丸の名前に色が含まれており、設定上紺と同系色の響きのある名前でイメージを統一する必要があったからです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» 1つ目は、物語の雰囲気を優先したからです。薄々とは感じて頂いていると思いますが、この3人の関係にはウェイトを置いていて書いております。その為、名前というキャラクター構成の要となる部分が不確定だと、物語を引き締められないと判断し、使用しない事にしたのです (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
たんぱく質(プロフ) - なっちんさん» コメントありがとうございます。名前の変更はコレを書くと決めた時に、熟考を重ね、しないと決めたので、大変申し訳ないのですが致しかねます。長文になりますが、名前変更をしなかった理由は2つあります。 (2020年7月12日 8時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なっちん(プロフ) - 初めまして^^*お話とても好きです∩ω<`あの名前の変換はできないのでしょうか(;o;)?? (2020年7月12日 7時) (携帯から) (レス) id: 86e7fd8910 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たんぱく質 | 作成日時:2020年7月8日 21時

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