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浅草への道中、大隊長会議の事を思い出す紺炉。
あれ程行かないと啖呵を切っていた紅丸
驚くほどあっさり大隊長会議に出席した。
聞かん坊の若には珍しいことだ。
大方、葵が何か言ったんだろう
「昨日、葵の奴と何かありやしたか?」
「るっせ…。何もねぇよ…」
案の定、不機嫌になる若。
妹にいらぬ苦労をまた掛けてしまったと、苦笑いを溢す紺炉。
気づけば2人は、喧騒で溢れかえる浅草に戻っていた。
そこには町民と雑談をする葵の姿が。
葵はこちらに気づき、駆け寄ってくる。
『お帰り、お兄』
「おう。ただいま」
『意外と遅かったね』
「まぁ、色々あってな」
そう溢せば、後ろにいる若を見やる葵。
「何だよ」
『何も』
「つうか、なんで一人で出歩いてんだ。誰か連れてけって言っただろうが」
『その必要がなくなったから、今一人で出歩いてるの』
「はぁ?」
葵は自慢げに、一人で出歩ける方法を懇切丁寧に説明してくれた。
掻い摘んで説明すると、熱で動くAIを作れたらしい。
最初は突拍子の無いことで戸惑ったが、葵は昔から器用だ。
その気になれば、そういった事も簡単にやってのけれる。
嬉しいそうな妹を見ていると、こっちま一緒に喜んでやりたくなる。
「凄いじゃねぇか。流石、葵だな」
『えへへ』
「へっ。どうだかな」
『何、若?疑うの』
「当たり前だ。お前の言うやつが、ちゃんと動いてるのを俺が見た訳じゃねぇ。だから、信じられるか」
『なら、今ここで証明しましょうか?』
「あぁ?喧嘩なら買うぞ」
空気が一気に張り詰める。
これは、ヤバい
慌てて、2人の間に割って入る紺炉。
「落ち着け、2人とも」
「止めんな、紺炉。今日こそケリを…『分かった』」
先程の勢いはどこへやら。
紺炉の指示に素直に従いう葵。
これでは完全に出鼻を挫かれ、やる気を無くす他ない紅丸。
「はぁ……、興覚めだ」
不完全燃焼の紅丸は、頭を掻きながら詰所の方へ行ってしまう。
そして、取り残される相模屋兄妹。
『今日も上手くいったね』
「だな」
2人はｺﾂﾝっと拳を合わ、笑い合った。
これは、相模屋兄妹流の紅丸の癇癪の治め方だ。
今のところ、成功率はほぼ100％
「でも今回は焦った。お前、本気で喧嘩吹っ掛けるかと思ったぞ」
『そんな事しなよ。でも、そろそろ手法変えないとね』
「だな」
2人で別の方法を考えていると
前方から「早く来い」と、2人を呼ぶ紅丸の声が。
葵と顔を見合わせ、笑いを溢し若の元へ向かった。
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たんぱく質(プロフ) - なーちゃんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるだけで、励みになります。できるだけ早くお届けできるよう頑張っていきます。 (2020年6月3日 21時) (
レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん - 紅丸大隊長、大好きなんです！書いてくれてありがとうございます！続き待ってます！ (2020年6月2日 8時) (レス) id: 7840b2b58c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぱく質 | 作成日時：2020年5月24日 19時
