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修復工程に不備がないか確認して回る葵。
すると、第8の大隊長と中隊長がこちらに向かってきた。


「あ、良かった。相模y『葵』葵小隊長…」

『よくできました。で、如何しました?』

「雑貨屋に足りない資材を、買いに行きたいのですが」

『………火縄中隊長』

「すみません……」


一度桜備を見る葵と火縄。


『伝えなかったんですか?』

「はい…。本当に申し訳ないです…」

「あの…、葵さん?」


1つ息を吐いて葵は、桜備に直る。
苦々しい表情を湛える葵に、不安になる桜備。


「だっ、大丈夫ですか?」

『大変申し訳ないですが………、ご同行はできません』

「え?」

「葵小隊長は、方向音痴なんです」

「え?」

『お恥ずかしい話、浅草で生まれ育ったにも関わらず、道が分からないのです…』

「え?」

「さっきから、え?しか言ってませんよ。大隊長」

「え⁉だって、最高戦力さんだろ。軍の最高戦力が方向音痴で良いのか⁉」

「大隊長…。人間、向き不向きがあるんです」

『あるんです…』

「自分も初めは驚きました。でも、仕方がないんです」

『仕方ないんです…』


仕方がないって…

何処か悟った顔の2人にイラっとする桜備。


『でも安心してください。ご同行できませんが、道案内くらいは可能です』


葵が、壬生を出す。


『雑貨屋までご案内して差し上げろ』

「葵さん、これは?」

『壬生狼です。襲っては来ないので安心して下さい』

「これで何ができるんですか?」

『簡単に言うと、情報収集、伝達、執行ですね』

「大分ざっくりしてますね?」

『はい。第3世代の炎は、能力者の精神に依存してくるので、その時の気分次第で変わるので。
とりあえず、桜備大隊長には、一時的にコレのオーダー権を与えます』

「いいんですか?その様な大事な権利を頂いても」

「はい。これが、私からの信頼です』


壬生が桜備の方に歩み寄りる。
そして、葵は挨拶をして詰所の方へ消えていった。


「少しは信頼してもらえたみたいで良かったな、火縄」

「いや、我々は葵小隊長の監視下に置かれただけですよ」

「そうなのか⁉」

「はい。先程の説明の中で、情報収集と執行と言っていました。つまりは…」

「何かすれば、すぐに伝わるって訳か」

「はい。そして、この会話も恐らくは…」

「抜け目ないな」

「そういう人なんです」


炎が揺れる。
見上げた空は日が傾き始める。


本当に手強い人だ…


ため息を吐いた桜備は、火縄と共に雑貨屋に向かった。

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たんぱく質(プロフ) - なーちゃんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるだけで、励みになります。できるだけ早くお届けできるよう頑張っていきます。 (2020年6月3日 21時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん - 紅丸大隊長、大好きなんです!書いてくれてありがとうございます!続き待ってます! (2020年6月2日 8時) (レス) id: 7840b2b58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たんぱく質 | 作成日時:2020年5月24日 19時

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