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今日は見回り当番の日。
壬生のおがけで、完全に1人で出歩けるようになった葵には至福の1日なのだ。
しかし、今回は何故か…


『何でいるの?』

「あぁ?」


大隊長が同伴なのだ。
しかも、大変ご機嫌斜めです。


『大隊長〜。何が気に食わないですか?』

「うるせぇ…」


今日はいつにもまして、感情が読み取りにくい顔を横目で見た。
大方、お兄と言い合いでもして、負けたのだろう

触らぬ神に祟りなし

むくれる若を他所に先に行こうとする葵


「そっちじゃねぇ」


が、手首を掴まれ引き戻される。
少し上の方からため息が聞こえた。


「1人でも平気なんじゃなかったのか?」

『平気ですよ…。たまに間違えるだけですよ』

「ハッ。それじゃ、いつまで経ってもお守りがいるな」


と、小馬鹿にした笑いが聞こえる。
言われっぱなしも面白くないので、噛みついてやる。


『そうかもね。もしかしたら、一生これは直らないかも知れないし。
 若が私のお守り役一生してよ』


若は面臭いことは嫌いだ。
恐らく、「ふざけんな。誰がそんな事するかよ」、くらい言うはずだ。

少し困らせてやろう程度だった


「いいぞ。別に……」

『……………えっ』


何、その反応……

そんな顔をされると、調子が狂う。


柔らかく笑うくせに、その手は乱暴に葵の髪を乱す紅丸。
葵は困惑の声をあげようとした時、爆音と熱風が起きた。

焔人だ


「チッ。お前はここに居ろ」

『』


髪を整えながら不服そうな顔をしたら、睨まれた。
葵はこの前の独断鎮魂で派手にやりすぎて、怒られたばかりなのだ。

やりすぎなのは、若も変わらんだろうに…


「絶対に手だすなよ」

『分かってるって。ここで大人しくしてます』



と、どこからか飛んできた纏に乗って、空に消える背中を見送った
しかし、葵も腐っても第7の人間。
何もしないなんて有り得ない。


『さて、私も仕事しますか』


いつもの様に指を弾けば、20は優に超える数の壬生が。


『避難誘導、鳶の招集、怪我人がいた場合、救護班の元に運べ』


葵の指示を受けた壬生が、散り散りに走り出す。
1人残された葵は今度は手を打ち鳴らし、息を吐く。
すると、はるか遠くの焔人の周囲にドーム状の炎が発生し、周囲を飲み込む。


『これで、少しは被害も減るでしょう』


遠くの炎の障壁を見つめる。
相手は、あの破壊王だ
内側からの衝撃に耐えれるよう精度をいじる。
そして、大きな爆炎が上がったので、近くの茶屋で鎮魂が終わるのを待った。

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たんぱく質(プロフ) - なーちゃんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるだけで、励みになります。できるだけ早くお届けできるよう頑張っていきます。 (2020年6月3日 21時) (レス) id: aad2ad7f17 (このIDを非表示/違反報告)
なーちゃん - 紅丸大隊長、大好きなんです!書いてくれてありがとうございます!続き待ってます! (2020年6月2日 8時) (レス) id: 7840b2b58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たんぱく質 | 作成日時:2020年5月24日 19時

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