102話 ページ8
気付いたらそこに立っていた
くると思われた衝撃はやって来ず、そっと目を開けた
目の前にはさっきの鎌は無く、変わりに男が蹲っていた
右肩を押さえて、必死に何かを耐える様に唸っている
足元はやけに生温い水で濡れていた
心なしか服も濡れていて
わけが分からなくて後ずさりをした
不思議に思っても辺りが暗くてよく見えなかった
後ろを振り向くと壁際に座り込んだ人影が見えた
目を凝らすと見知った大人と子供の顔がぼんやり見えた
『．．．！』
一歩近づくと誰かが小さく息を呑んだ
二歩三歩と近づく
「．．．ぁ」
最後に一歩近づくと誰かが叫んだ
「こ、こないで．．．
化物．．．っ！！！」
『ぇ．．．？』
その時、バチバチッという音と共に消えていた電気が点いた
急な光に思わず目を瞑った
すぐに、ゆっくりと目を開ける
一番に私の視界に入ってきたのは、どろりとした、真っ赤な水で濡れた床
その次に自分の体を見た
腕や足は所々抉れたような傷があり、そこから赤がどろどろと流れ出ていた
不思議と痛みは無かった
見慣れない赤を目の当たりにして、体が震えはじめる
後ろからは未だに男の呻き声が聞こえる
ゆっくりと後ろを振り向く
『．．．っ！！』
蹲る男が押さえる右肩
その先にあったはずの鎌が無かった
．．．落ちていた
刃は砕け、血がこびり付いていた
腕の部分だろうか
人の肉のようなものがあった
そこから僅かに白が見え隠れしていた
そこで初めて、噎せ返る様な異臭が鼻を衝いた
胃から何かがせり上がってくるのを感じて両手で口を押さえた
その時だった．．．
『っ．．．！？』
右腕に鋭い痛みが走った
途端に体が重くなって床に倒れ込む
体を起こそうと動こうとしたが
「動くなっ！！」
誰かが私を押さえ込んだ
重たくて苦しくて息が出来なかった
右腕がジンジンしてきて、瞼が落ちてきた
遠くなっていく意識の中で、皆が誰かに駆け寄って行くのが見えた
『だぁ、れ．．．？』
「．．．っ」
待って、待っていかないで
置いてかないでっ
皆、どうして．．．っ？
「もう大丈夫！
私が来た！！」
『おーる、まいと．．．？』
伸ばされた手は．．．
私の為ではなかった．．．
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SHINKAI(プロフ) - 弁財天ちゃんさん» こんばんはです弁財天ちゃん！コメント励みになります。ありがとうございます！頑張って更新していくので、続きをお楽しみにしていてください！ (2019年2月4日 1時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさん» SHINKAIさんこんばんは弁財天ちゃんです！！夜分遅くでもお仕事ご苦労様です(*^_^*)先程の内容を読ませて頂いたところヒロインは焦凍の告白に何故か答えられない要素がありますが一体どうしてなのか気になりますね(-""-;)また今後の内容をお待ちしてます！！ (2019年2月3日 20時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさんおはようございます弁財天ちゃんと言います不束な点がございますがよろしくお願いいたします！！最近第三段製作おめでとうございます(*^_^*)！！此れからも忙しくなりますが影ながら応援してますのでまたの内容をお待ちしてます＼(^_^)／ (2019年1月17日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます！頑張って更新していきます。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 面白かったです！再新頑張ってくださいp(^-^)q (2019年1月6日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2019年1月6日 4時
