131話 ページ37
轟side
「俺はお前が好きだ」
『．．．っ』
夜月の手に自分の手を重ね、すぐ横にある瞳を覗き込む
至近距離で交わった視線
金色の瞳が不安げに揺れている
「クラスメイトでも友人でも仲間でもねえ
そういう意味でお前が好きだ」
追い打ちをかけるように言葉を続けると、夜月は視線を逸らした
何か言いたげに口を動かしていたが、言葉は何も出てこない
「．．．A」
『っ』
出来るだけ、優しく名前を呼んでやるとびくりと肩を揺らす
『なんで．．．私なの．．．』
「．．．わからねえ
でも、気付いたら好きだった．．．
１回そう思っちまったら止められなかった
笑ってほしい
名前を呼んでほしい
触れてほしい
お前が傍にいないときはお前の顔が浮かぶ
隣にいる時は抱きとめて、離したくねえって思う」
『．．．』
金色の瞳がゆっくりと俺を映した
薄っすら紅潮する頬に手を伸ばす
「何度だって言ってやる
俺はお前が、Aが好きだ．．．」
『．．．っ』
頬を紅潮させたままくしゃりと顔を歪めたAは震える手で頬に伸ばした俺の手に触れた
不安げに揺れる瞳を見て、抱しめたい衝動に駆られる
小さく名前を呼んで、そっと身を寄せようとすると
『ごめん．．．』
俺の手を離し肩を押しやるAの手
「ぇ．．．」
それに逆らえず、遠ざかるAの体
『ごめんね轟．．．私．．．』
ベンチから立ち上がり二歩三歩後ずさり胸の前で両手をギュッと握るA
落としていた視線をゆっくりと上げて俺を見る
『．．．轟の気持ちには応えられない』
悲しげに歪んだ顔を見て息が詰まった
『ごめんね．．．っ』
一際強く吹いた風の中で小さく響いたAの最後の言葉
巻き上げられた空色の髪が夕空によく映えていた
薄く水の張った金色の瞳がキラキラ輝いていて酷く綺麗だった
駆けていく背中を追えず、そこで立ち尽くす
不思議と、何も感じなかった
感じなかった、はずなのに．．．
「A．．．」
頬に流れるこれは
一体何なのだろうか．．．＿＿＿
轟side終了
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SHINKAI(プロフ) - 弁財天ちゃんさん» こんばんはです弁財天ちゃん！コメント励みになります。ありがとうございます！頑張って更新していくので、続きをお楽しみにしていてください！ (2019年2月4日 1時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさん» SHINKAIさんこんばんは弁財天ちゃんです！！夜分遅くでもお仕事ご苦労様です(*^_^*)先程の内容を読ませて頂いたところヒロインは焦凍の告白に何故か答えられない要素がありますが一体どうしてなのか気になりますね(-""-;)また今後の内容をお待ちしてます！！ (2019年2月3日 20時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさんおはようございます弁財天ちゃんと言います不束な点がございますがよろしくお願いいたします！！最近第三段製作おめでとうございます(*^_^*)！！此れからも忙しくなりますが影ながら応援してますのでまたの内容をお待ちしてます＼(^_^)／ (2019年1月17日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます！頑張って更新していきます。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 面白かったです！再新頑張ってくださいp(^-^)q (2019年1月6日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2019年1月6日 4時
