112話 ページ18
『．．．』
「あ、あ゛あ」
あれからどれだけ経ったのかは分からない
数分か、数十分か
周りの喧騒から、敵が多くヒーローが来れないことだけはAにも理解できた
コスチュームは至る所が溶け落ちていたが、肌には火傷の痕はほとんど見当たらない
しかし、おそらく針でやられたのだろう、切り傷や抉れたような傷が多く見れた
『．．．』
脳無は地面に倒れ込んだAの片腕を掴み持ち上げた
足が地面から離れ、宙ぶらりん状態でも尚Aは動かない
『っ．．．』
閉じられていた目が薄っすらと開いた
血が足を伝い、真下に小さな血溜まりが出来ていく
『く、っそが．．．っ』
Aは弱々しくも、抗うように脳無の顔に蹴りを入れた
しかし、脳無にはまったく効いておらず地面に叩き付けられた
『＿＿＿．．．っ！！』
あまりの衝撃に声も出ない
再度地面に転がったAを見下ろし、脳無は踏み潰そうと足を上げた
しかし．．．＿＿＿
「はーい、そこまでー！」
この場に似つかわしくないような声が暗い路地裏に響いた
その瞬間、Aに向かって叩き下ろしたはずの脳無の足が消えていた
「？ああ゛っ」
脳無は片足だけになり、バランスを崩して後ろに倒れた
「はいはーい、お楽しみ中ごめんねー？」
またも、先ほどの男の声
『．．．？』
コツンコツン、とブーツの低い音が路地の奥から鳴り始めた
それは徐々に此方に近づいてきた
『．．．．．．！』
弱い光に照らされた男の顔は、Aにとって見覚えのあるものだった
声を出そうとするよりも早く、脳無は残った片足だけで男に向かって行った
「そんな状態でなにが出来るのさ」
しかし脳無は突進の甲斐なく、一瞬で”赤い結晶”に閉じ込められた
「ったく、あいつら俺がいない間に好き勝手やりやがって」
『な、なんで．．．ここに』
やっとの思いで声を出すと、男は嬉しそうに笑いながら歩み寄ってくる
腕で体を支えるAの手を取ってそっと座らせると、目の前にしゃがみ込んで頬に手を伸ばした
「連合の奴らが何かしてるっぽかったから来ただけなんだよ
でも、タイミングがよかった．．．ホントに、よかった」
優しく頬を撫でて付いた血をふき取る
『く、紅音．．．？』
そう名前を呼ぶと男は嬉しそうに目を輝かせた
「俺の名前覚えててくれたんだ、嬉しいよ」
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SHINKAI(プロフ) - 弁財天ちゃんさん» こんばんはです弁財天ちゃん！コメント励みになります。ありがとうございます！頑張って更新していくので、続きをお楽しみにしていてください！ (2019年2月4日 1時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさん» SHINKAIさんこんばんは弁財天ちゃんです！！夜分遅くでもお仕事ご苦労様です(*^_^*)先程の内容を読ませて頂いたところヒロインは焦凍の告白に何故か答えられない要素がありますが一体どうしてなのか気になりますね(-""-;)また今後の内容をお待ちしてます！！ (2019年2月3日 20時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
弁財天ちゃん - SHINKAIさんおはようございます弁財天ちゃんと言います不束な点がございますがよろしくお願いいたします！！最近第三段製作おめでとうございます(*^_^*)！！此れからも忙しくなりますが影ながら応援してますのでまたの内容をお待ちしてます＼(^_^)／ (2019年1月17日 7時) (レス) id: 09a4a3c559 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - いまづきさん» ありがとうございます！頑張って更新していきます。 (2019年1月6日 23時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
いまづき(プロフ) - 面白かったです！再新頑張ってくださいp(^-^)q (2019年1月6日 20時) (レス) id: 14b35c0538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2019年1月6日 4時
