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第190話 ページ47

「逃げることないだろ〜」


『逃げるに決まってるでしょ!?』


「シャル、その子誰?」


「ああ、シズク達は会ったことなかったっけ

 団長のお気に入りの子だよ」


「団長の?」


今Aはなんと幻影旅団のメンバーであるシャルナーク、シズク、コルトピに遭遇してしまったのだ
その中で唯一面識があったシャルナークに後ろからお腹に腕を回され抱き抱えられている

身長差があるせいで足が宙に浮いてしまっている


最初こそ暴れていたが、街を出て森に連れてこられたあたりでAは抵抗をやめて大人しくシャルナークに抱き抱えられていた


「君、名前なんだっけ?」


『...』


顔を上げると端正な顔立ちが目の前にくるが、そんなこと気にもせずにAはジトリとした視線をシャルナークに寄越し無視を決め込む


「シャル、その子どうするの?」


「うーん...

 君、団長と最後まで一緒にいたんだろ?
 連絡とか取り合って...る、わけないか」


『...』


「ねえそんな子放っておいて早く行こうよ」


シズクの言葉にブンブン頭を縦に振るAを見ながらシャルナークは再度うーんと考え込む


「君、俺たちと一緒に来る?」


『は!?』


「クモに入れるの?なんで?」


「さっき言っただろ?団長のお気に入りだって
 手土産にはちょうどいいと思うんだよね」


『...(手土産...)』


「で、どうする?」


『いくわけないでしょ、バカじゃないの』


当然といえば当然なのだが、Aは合っていた視線を外し断りを入れる


「...そっか、残念!」


『っ!』


簡単に解放されるなど思ってはいなかった

しかしここまでして彼女を連れて行こうとするとは、A自身思ってもいなかっただろう






「なら無理矢理連れて行かせもらうよ」






足に僅かに感じた違和感

視線を落とした先には太ももの辺りに刺さった何か



焦って抜こうとしたが、すぐにシャルナークに両腕を掴まれてしまう

ここまで本気で抵抗しなかったのは、3体1と数で不利だったから
そして逃げる事でゴンとキルアに被害がいくかもしれないと思っていたからだ


体の自由が効かず、前には2人の敵

そしてシャルナークの能力“携帯する他人の運命(ブラックボイス)

対象にアンテナを刺すことで意のままに操ることのできる操作系の能力だ
Aの足に刺されたが、そのアンテナ


目に見えての絶体絶命の場面だった

しかし...

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作者名:SHINKAI | 作成日時:2022年9月9日 19時

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