第180話 ページ37
「ああ、なんでことだ！
このまま体が冷えれば、薬を手に入れる前にこの子は死んでしまう！
こんな時に子供服があれば．．．！」
「「『．．．』」」
あからさまな言葉とは言えど、背に腹は変えられず．．．
「あの．．．俺の服でよかったら「おお、いいのですか！？」
「あなた方はまるで天使のようだ！」
待ってましたと言わんばかりに食い気味に反応する山賊たちに、あっという間に服をとられる
『うわ！？』
「ちょ、こいつはいいだろ！！」
なんとゴンとキルアに次いで、Aまで上着を取られてしまう
黒のタンクトップしか着ておらず、両腕が露わになった姿に、キルアが慌てるも山賊たちは聞こえぬふり
「いくら言葉を尽くしてもこの気持ちは伝えきれません！」
『．．．いや、そういうのいいんで
情報とかアイテムとかは』
服は諦めたAがそういうと、山賊たちは一歩また一歩と離れていき．．．
「何にもなしかい！」
『信じられない．．．』
「身ぐるみ剥がされた上に一文なしになっちゃったね」
そう、3人は結局なんのアイテムも情報も得ることなく終わってしまったのだ
「クッソー！なめやがって！」
「大丈夫？A
寒くない？」
『うん、大丈夫
ありがとう、ゴン』
「．．．」
Aは今両腕が完全に晒されており、しかもショートパンツだ
加えて女の子
ゴンはそんなAが心配なのだろう、仕切りに声をかけている
それに反してキルアは黙ったまま横目でAを見ている
「．．．(細い．．．けど筋肉はちょっとついてる、な
つーか、流石にこの格好はまずい、よな．．．？)」
今Aは髪を低い位置でツインテールにしているため、首が完全に晒け出されている
胸元は大きく開いているわけではないが、前屈みになればどうなるかわからない
それに加え無防備に晒されている両腕
万歳でもしようものなら脇が見えてしまうし、なんなら横から．．．
とにかく、諸々よろしくないのだ
「．．．お前、なんか服持ってねえの？」
『持ってたら着てるよ』
「．．．」
どうしようもない状況である
キルアは大袈裟にため息をつき、もう一度ちらりとAを見る
「(．．．なんだ、下に着てんのかよ)」
腕の下にちらりと見えたもう一枚の布
どうやら下着は別で着ているようだ
「．．．はぁ．．．」
『さっきから何？』
「．．．別に」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年9月9日 19時
