第148話 ページ4
無事ゴンとキルアと合流
2人が大食い早食い対決をして残ったドーナツをもらった
『うまー』
「俺にも一口」
『さっき食べてたじゃん』
「．．．」
何やら先ほどからずっとAの肩に手を回して歩くキルア
ジトー、と見つめ、Aは渋々ドーナツをキルアの口元に持っていく
「(懐かしい光景だな．．．)」
そう、まるでキルアを家に迎えに行った時のようだ
クラピカはそんな2人の後ろを歩きながらあの時のことを思い出していた
「ねえクラピカ」
「どうした？ゴン」
「昨日、Aと何かあった？」
「え．．．
どうしたんだ？突然」
「キルアがね
昨日の夜ずっと言ってたんだ
2人で何してるのかな、とか
今も一緒にいるのかな、とか
キルアね、クラピカに嫉妬してたから」
「．．．」
「キルアってAのこと大好きだから！」
太陽のような笑顔を浮かべるゴンに、クラピカは戸惑った
「(これは手を出すな、という意味か？
いや、まさかゴンがそんなこと言わないと思うが．．．)」
「クラピカもAのこと好きでしょ？」
「え」
「俺もAのこと大好き！
もちろんレオリオもね！
でも、クラピカとキルアの好きは．．．なんかちょっと、違う気がする」
「．．．」
「レオリオがね、そっとしとけって言ってたんだけど
俺、昨日2人に何かあったなら知っておきたいんだ
ねえ、クラピカ
昨日Aと何かあった？」
じっと、真っ直ぐな瞳がクラピカを射抜く
ゴンは心配なのだ
クラピカとAの間で何かあったとして、それでキルアが傷つくことが
贔屓しているわけではなく、ただ純粋に親友として
それと同時に、Aの気持ちを大事にしている
Aの気持ちが2人とは違うものだと言うことも、ゴンは察している
だから、知りたいのだ
「．．．傍に、いてくれたんだ
どうしようもなくなっていた私の傍に、いてくれた
ただそれだけだよ」
「．．．」
「だからゴンが心配するようなことは何もないさ」
「ほんと？」
「ああ」
「．．．そっか！」
「おーい！お前ら遅いぞ！」
いつの間にか前の2人と随分間が空いていたようだ
「行こう、クラピカ！」
「あ、ああ」
『．．．』
もしかしたらAの一番のセコムはゴンかもしれない．．．
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2022年9月9日 19時
