エーデルワイスを君に4【HUNTER×HUNTER】 (ページ13)

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第157話ページ13

『．．．』

クロロから見たクラピカはどう見えたのだろうか

パクノダが想像する鎖野郎は、冷静で冷徹な男だろう
クロロには、きっとそんなふうには見えていない

ゴンやキルア、レオリオから見たクラピカは強固な覚悟を持っているように見えているだろう
クロロにはそんな面、見えていない

覚悟よりも仲間を
復讐よりも今ある命

クラピカは冷静だけど激情型だ
クラピカは冷徹だけど仲間思いだ
クラピカの覚悟は強いけど自分しか犠牲にできない

無鉄砲で自分勝手で、非情になりきれない

優しい人
優しくて、馬鹿な人

『．．．』

あまりにも簡単に条件を呑むパクノダを前に、動揺をあらわにするクラピカ

『(最優先はゴンとキルアの命、か．．．)』

なんて無駄な時間だろうか．．．

「．．．」

Aは交渉の部屋を出て1人で奥の部屋に行く

2人の命を最優先するのは私とレオリオとセンリツだけでいい

復讐を掲げるなら、生きがいとするなら
地獄に飛び込む勇気があるならば

他人の命すら見捨てるべきだ
命をかけるとはそういうことだと私は思う

命を見捨てることのできない人間に、復讐なんて相応しくない

クラピカの復讐の炎は自分すらも焼き尽くす

『(馬鹿な子．．．)』

交渉は無事終了
ゴンとキルアがこちらに戻った

飛行船が浮上する
岩上に残ったのはパクノダが乗る飛行船と、ヒソカとクロロのみ

しかしすぐにヒソカは飛行船に戻った

「っ」

「おい、クラピカ！？」

「クラピカどうしたの！？」

ふらつくクラピカをレオリオが支える

「心配ない、大丈夫だ」

「馬鹿野郎！体温が高え！発熱してるぞお前！」

「疲れが出たのよ、横になりましょう」

「っああ．．．

　．．．！A！？」

「え？」

窓の外をチラリと見たクラピカが、突然声を上げた
キルアがすぐに確認すると、Aがクロロの前に獣の姿で立っていたのだ

「あいつ、何やってんだよ．．．っ」

「早く飛行船を戻そうよ！」

「待て！」

「なんだレオリオ！Aがクモといるんだぞ．．．っ」

騒ぐみんなを止めたレオリオは言いづらそうに口を開く

「Aに頼まれた
　あいつと話したいことがあるから先に帰っててくれって」

「はあ！？何考えてんだよあいつ！」

「2人は面識があるようだったし．．．
　彼がAちゃんに危害を加えるようには見えないわ」

「(A．．．っ)」