エーデルワイスを君に4【HUNTER×HUNTER】 (ページ49)

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第192話ページ49

『え

　ビスケ私のこと知ってたの？』

「あんたの名前聞いてわかったんだわさ」

『名前．．．』

マサドラから無事帰ってきたAはビスケの横に腰を下ろし
ビノールトと戦う2人を見守っていた

「知らないの？
　あんた今プロハンターの間でちょっとした有名人だわよ？」

『な、なんで』

「そりゃああのネテロ会長が直々に弟子を取ったんだわよ！？

　注目されてもおかしくないわさ」

『(なるほど)』

Aはそれだけ聞いてもう興味を失ったのか
視線をビスケから2人へと向けた

「．．．悪かったわね」

『．．．何が？』

「あんたの大事な子を殴っちゃって」

『．．．．．

　別に
　作戦だったんだし』

「怒ってたでしょ」

『反射だよ』

「．．．そう

　あんた、一体何者だわさ？」

『．．．』

「あんなオーラ見たことない

　あんた、一体．．．」

そこまで言って、ビスケの言葉が止まった

自分から離れていた瞳が
ジロリとこちらに向いたからだ

殺気を向けられたわけでも、睨まれたわけでもない

なのに
まるで蛇に睨まれた蛙が如く体が固まった

『．．．』

ヒヤリとした空気が漂った気がした

『ビスケが』

「え？」

ようやっと開かれたAの口から
この空気には似つかわしくない穏やかな声が響いた

『．．．ビスケが、2人を強くしてくれたら

　教えてあげる』

敵意なんて微塵も感じさせない
優しい瞳で、Aはそう語りかけた

「．．．」

『．．．ご飯、作ってくる』

ビスケからの返答もなく
なんとも言えないこの空気感に耐えられなくなったのか

Aはそそくさとそこから逃げるように腰を上げた

「．．．あったりまえだわさ！」

『！．．．』

「あたしはあの子らの師匠になった

　なら、責任持ってあの子らを鍛えるわさ！」

自信に満ちたビスケの姿に、いつの間にか力が入っていたAの肩から力が抜ける

『．．．うん、お願いね』

ヘニャ、と
なんとも力の抜けた笑みを浮かべたA

さあ、ゲームはまだまだ始まったばかり

彼女はここで、大きな成長を成し遂げることができるのか．．．